TEXT BY ミドリ・モール(弁護士・ライター)
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ハリウッド映画のビデオ市場(1)
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ハリウッドの映画ビジネスは成長し続ける。2002年度の映画の興行収入は、90億ドルを突破した。二次マーケットであるビデオは、セルとレンタルを合わせると、初の200億ドル台を記録した。前年度比17%のアップである。そのビデオ市場の活況を支えるのは、やはりDVD。DVDのセルは前年度比52%アップで、87億ドルの売り上げがあった。VHSを購入する消費者は17%ダウンして、34億ドルであった。これに対してレンタル利用者は、82億ドルをDVDとVHSに消費したと報告されている(Video Business Magazine)。
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全世界中のビデオ市場は、390億ドルといわれ、前年度比10%アップであった。そのうち過半数以上を支えるのがアメリカ市場。アメリカ人は根っからの映画好きといえそうだ。劇場で見た映画を、自宅に帰ってビデオで楽しむ。映画市場の大きさが伺える。
では、DVDのハードはどのくらいアメリカで浸透しているのであろうか?1997年4月に初出荷されて以来、2002年には5,300万台のDVDプレーヤーが販売されている。お値段もかなりお手ごろになってきており、アメリカ全世帯の約46%がDVDプレーヤーをもっていることになるそうだ。ちなみに全世界中には、1億1,100万台に及ぶDVDプレーヤーが売られている。
ビデオ市場も劇場同様、メジャー・スタジオとよばれる映画会社が圧倒的に強い。インディ系の映画会社は、14%にすぎない。ヒット作を生み出すメジャーのほとんど独占状態といえる。以下は2002年度の各スタジオの勢力図。 |
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2002年に最も売れたビデオ・タイトルは、以下のとおり。第一位はディズニーのCGアニメ『モンスターズ・インク』。第二位は『ロード・オブ・ザ・リング』であった。興行収入では第一位で超ヒット作の『スパイダーマン』はおしくも第3位にとどまった。以外なのは、第7位の『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』。興行収入が大きい割には、ビデオからの収入が伸びなかったようだ。 |
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順位 |
タイトル名 |
配給会社 |
ビデオ収入 |
興行収入 |
1 |
モンスターズインク |
ブエナビスタ |
$384.8M |
$255.9M |
2 |
ロード・オブ・ザ・リング |
ニューラインWB |
$380.2M |
$313.4M |
3 |
スパイダーマン |
コロンビア |
$347.7M |
$403.7M |
4 |
ハリーポッター |
WB |
$343.9M |
$317.6M |
5 |
アイスエイジ |
フォックス |
$230.0M |
$176.4M |
6 |
ワイルドスピード |
ユニバーサル |
$216.7M |
$144.5M |
7 |
クローンの攻撃 |
フォックス |
$212.5M |
$308.8M |
8 |
リロ&スティッチ |
ブエナビスタ |
$207.6M |
$145.8M |
9 |
オーシャンズ11 |
WB |
$192.2M |
$183.4M |
10 |
トレーニングディ |
WB |
$179.5M |
$76.3M |
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