TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 1990年に友人と2人で、友人宅のガレージで始めたプロデューサー業も、今やエンターテインメント関連会社のオフィスが立ち並ぶビバリーヒルズのウィルシャー大通り沿いに事務所を構えるまでになった桐島さん。これまで8作品をプロデュースしてきた彼が現在手がけているのは、「Cahoots(カフーツ)」(「悪友」「悪巧みをする仲間」と言う意味)という映画だ。

 早速そのロケ現場にお邪魔してみた。


ロケ現場でスタッフ・チェアーに
座るマックス桐島さん


監督(右端)とアクションについて
リハーサル中のキース(中央)とデビッド
 ハリウッドフリーウェイをL.A.ダウンタウンから約1時間北へ上がった、閑静でちょっとリッチな住宅街の中にある一軒家でロケは行われていた。ロケ用住宅に登録していた家の住人は、撮影期間は家を空ける。ちなみに住宅の使用料はかなり高額だそうで、登録者(家)は結構な数に上るという。ロケハン担当者が選んだ数軒を、クルーと一緒に廻り、ここに決めたのだそうだ。

 さて、映画のストーリーは、プー太郎と建築家といった互いの歩んでいる道が違う、高校時代の悪友同士が久しぶりに再会し、相手の人生をうらやましく思いながら自分の生き方を再確認するというもの。この日は、リッチな建築家ハーレー(デビッド・キース)の家にプー太郎のマット(キース・ギャラディン)が遊びに来て、2人でハメを外しているシーンを撮影していた。

  主演の2人に話を聞いてみた。「脚本を読んですごく気に入ったんで、オレからエージェントの方にやりたいって言ったんだ」とは、プー太郎役のキース。U―571で存在感ある演技を見せたデビッドの方は、悪友?いるよ。でも、悪いことはしないよ(笑い)。時々つるむよ。オレの方がプー太郎のマットに近いかな。でも、1週間前に結婚したばかりだから、最近は忙しくてあまり悪友たちともつるんでないね」とノロケながら答えてくれた。


公開中の作品でデビッドを
見たことある人も多いのでは…?


 桐島さんは「スタジオ製作だと10ミリオンの製作費だが、独立系はどうしてもそれの半分から3分の1。この作品も3ミリオンのバジェット(製作費)だけど、いい役者、監督、クルーが揃ったと思う。みんな脚本を気に入ってくれて、プロジェクトに加わってくれたんだ。来年のサンダンス映画祭に出すつもりでいる」と目を輝かせて語ってくれた。「そう、プロダクション・デザイナーは偶然に日本人だよ」とも付け加えた。

 ハリウッドで活躍する日本人は、桐島さんだけではない。エンドクレジットを見ると、日本人の名前が1本に1つは見つかる時代だ。今後も、ハリウッド映画で活躍する日本人を紹介していくので、乞うご期待!



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