TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS) | |||||||||||||||||||||||
MPAA(Motion Picture Association of America Inc.アメリカの映画協会であり映倫的存在でもある団体)によると、アメリカでは、「映画を頻繁に観に行く」層は18歳以下というデータがある。アメリカの映画観客の大多数をティーンエイジャーが占めているということになるのだが、それにもかかわらず、ハリウッドは今年も彼らのおじいちゃん、おばあちゃんが主人公の「シニア映画」をリリースした。 『スペース・カウボーイ』('00)である。クリント・イーストウッドが、やっと「オレはジジィだ。悪いか!」と開き直って作った(監督・主演)今作品、なんだかそんなイーストウッドの意気込みにスカッとさせられる、メインキャストの平均年齢が65歳の映画だ。イーストウッドの70歳をはじめ、共演のジェームズ・ガーナーは72歳、ドナルド・サザーランドは65歳、唯一の若手(となってしまう)トミー・リー・ジョーンズは54歳だ。 ちなみに、イーストウッドはこの映画で「ジジィ」宣言をしたが、今も現役セクシー俳優の看板を掲げている70歳の俳優と言えば?そう、ショーン・コネリーがいる。去年、『エントラップメント』('99)でキャサリン・ゼタ・ジョーンズ(31歳)と共演の際、彼女といちゃつくシーンを加えさせたというウワサの彼だが、5年前からシニア・シチズン(65歳以上の市民の総称)の仲間入りをしている。 さて、話を戻そう。主人公がそんな面々でも、豪華キャストと良質の娯楽映画となった『スペース・カウボーイ』は、封切りの週末、ボックス・オフィス3位にランクインした。まだ、公開中なので興行収入は伸びる可能性もあるが、歴代の「シニア」映画で現在6位をマークしている。これまでの「シニア」映画トップ10ランキング(アメリカのみのグロス興行収入順)は以下の通り。 |
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アメリカでは、8月終わりに、『The Crew』という、またまた「シニア」映画が封切られた。マフィアとしてブイブイ言わしていた4人の男たちが、引退先に選んだマイアミの長期滞在者用ホテルの改装を巡ってひと暴れする同作品。バート・レイノルズ(64歳)、リチャード・ドレイファス(52歳)、ダン・ヘダヤ(60歳)、シーモア・カッセル(65歳)といった顔ぶれで、平均年齢は60歳!! 還暦(赤いちゃんちゃんこ)の彼らだが、まだまだ現役で若いモンを笑わせてくれる。
さてこの「シニア」映画ブーム。今後はどんなメンバーで作られるか楽しみだが、個人的には007にのイメージに固執せず、ショーン・コネリーに一皮むけてほしいものだ。 |
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