TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 9月10日(日)、今春アカデミー賞授賞式が行われたロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムで、エミー賞授賞式が行われた。TVのアカデミー賞となるこの賞は、今年で52回目。日本ほどではないが、アメリカでも、ジョージ・クルーニーを筆頭に人気テレビ番組出身の映画スターもいるし、映画スターが人気番組に出演するなど、映画とTVは近年さらに密接になってきている。特にエミー賞を受賞したスターは、映画に進出するという図式が定着。また、映画スターがミニシリーズなどに主演し、エミー賞を受賞するパターンも多い。

 賞は、ドラマとコメディの部門に分かれて、それぞれのカテゴリーで作品賞、主・助演の男・女優賞などがある。但し、ドラマとコメディの違いは日本の感覚と若干異なるので注意。ドラマはシリアスもの。コメディは、コントではなく、お笑いドラマのことを指すのだ。

 TVアカデミー代表のメリル・マーシャル氏に1ヶ月前にインタビューした時、『ザ・ウエスト・ウィング』(マーチン・シーン主演のホワイトハウスが舞台のドラマ)は期待が大きいですね」という答えていたが、結果は、同氏をはじめ大方の予想通り、『ザ・ウエスト・ウィング』がノミネーションを受けた18部門中、9部門を獲得し圧勝した。ちなみに、9部門制覇はエミー賞史上最多の快挙である。

また、今年の授賞式は、闘病のため表舞台から退くマイケル・J・フォックス、相棒的存在ウォルター・マッソーを亡くし、自分のあの世行きの順番が迫っていることを感じたと語るジャック・レモンなど、メモリアル的な受賞も目立ったのは感慨深いものであった。

 受賞作品および、主な受賞者は以下の通り。


授賞式でもスピーチした、テレビのアカデミー協会のメリル・マーシャル代表

★ ド ラ マ 部 門 ★
作品賞/『ザ・ウエスト・ウイング』
主演男優賞/ジェームズ・ガンドルフィーニ(『ザ・ソプラノス』)
主演女優賞/セラ・ワード(『ワンス&アゲイン』)


★ コ メ デ ィ 部 門 ★
作品賞/『ウィル&グレース』
主演男優賞/マイケル・J・フォックス(『スピン・シティ』)
主演女優賞/パトリシア・ヒートン(『エブリバディ・ラヴズ・レイモンド』)
ミニ・シリーズ主演男優賞/ジャック・レモン
ミニ・シリーズ主演女優賞/ハリー・ベリー


 さて、会場で何より注目を集めていたのが、ブラッド・ピットとジェニファー・アニストン夫妻。ジェニファーは、人気コメディードラマ『フレンズ』の演技で(今年も)ノミネートされていたが、今年の賞レースには勢いがなかったので彼女は気楽に構えていた。しかし、そんな2人をマスコミは放っておくはずがない。なぜなら、このエミー賞授賞式が、7月に結婚後、初の大イベント同伴出席だから。授賞式の最中、受賞者とは関係ないのに、カメラは何度も2人を捕らえていた。 さて、ハイエナのようにレポーターが群がるレッドカーペット上でのインタビューで「ピット夫妻じゃなくてアニストン夫妻さ」と冗談を言って、終始照れていたブラピとは対照的に、授賞式後のパーティー会場で、「パーティーが終わったら今夜は何するの?」と聞かれてとまどうブラピを横目に、「何するって、決まってるじゃない!!」とインタビュアーをどついて、マスコミの攻撃をサラリとかわすジェニファーがいつもとかわらない様子で、印象的だった。(ジェニファーが一枚上手?でも、女は好かれて結婚したほうがイイもんね!!)


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