TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 約100年の歴史を持つハリウッドには、沢山の歴史的建造物や観光名所などがある。ハリウッド・レポートでは、そうした建物や場所などを今後どんどん紹介していくゾ。まずは、1927年にオープンしたルーズベルトホテルだ。

(ホテルの外観)映画ファンにはたまらないロケーションに、セレブ気分で泊まれるホテル

 このホテルは、第1回目のアカデミー賞授賞式会場になった場所受賞作品に関しては話題のVIDEO&DVD「つばさ」参照)。今と違ってその夜は、受賞者はすでに報道されており、関係者やセレブたちが会食をして親睦を深めるというものだった。会場はホテルの1階にあるブロッサムルーム。現在も宴会場として使われているこの部屋の内装は当時のままだ(開いていれば覗けるよ)。

また現在、ブロッサムルームを上から見下ろせる中2階の廊下は、1886年から1996年までの映画の歴史を写真や映写機などの展示で説明したミニ博物館となっている。また、ブロッサムルームからハリウッド・ブルバードに抜ける1階の廊下にはベンチに座るチャップリンの像もあり、ハリウッド気分を十分満喫できる(時折このベンチにストリートパフォーマーのチャップリンが座っていることがある)。


 ところで、このホテルにはいわく付きの場所がいくつかある。その1つが、1階のエレベーターホール。ここにある等身大の鏡は、かつてマリリン・モンローが使っていたとかで、彼女の姿が映ることがあるという。ちなみに、ここのプールで、マリリンは最初のコマーシャル撮影を行っている。また、9階の928号室はモンゴメリー・クリフトが『地上(ここ)より永遠(とわ)に』('53)の撮影中利用していた部屋だが、今でも時折セリフを練習している声が聞こえるとか…。

 セレブにちなんだ場所はほかにもある。ジャズのライブが楽しめるロビー横のシネグリルは、クラーク・ゲーブルやアーネスト・ヘミングウェイなどが常連客だったそう。約15年前に、オープン当時のインテリアに戻した同ホテルは、ハリウッド黄金時代の面影を今に伝える貴重な歴史的建造物だ。

 さて、約半世紀前はセレブご用達だった同ホテル、現在は宿泊客の25~30%が日本人だという。チャイニーズシアターの斜め向かい、ウォーク・オブ・フェイム沿いにあるこのホテル。実は、観光地の密集するハリウッド・ブルバードで唯一、トイレを気軽に貸してくれる所でもある。


チャップリンが座っているベンチ


中2階にあるミニ博物館は必見!!



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