TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS) | ||
アカデミー賞初期の様子は? | ||
第1回目のアカデミー賞授賞式は、1929年5月19日に行われた。このコーナーの11月2日号でご紹介した、ハリウッドのルーズベルトホテルで開催されたのだが、受賞者はすでに発表されており、その夜はオスカー像を授与する晩さん会だった。 |
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第2回目の授賞式は、第1回目から約2年後の1930年4月30日、ロサンゼルス市内のアンバサダー・ホテルで行われた。監督賞はフランク・ロイド、女優賞はメアリー・ピックフォード。 アカデミー賞が一般に定着しだしたのは第3回目から。第3回目の授賞式は、候補対象期間終了(映画の公開)から授賞式までが、かなり時間が経っているので、それを改善するため、授賞式を速めることになり、前回の授賞式の7カ月後、1930年、11月5日に行われ(詳しくは次回)。第3回目のアカデミー賞作品賞は、反戦映画の名作『西部戦線異常なし』('30)が受賞した。 |
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同部門で受賞者がふたり!? | ||
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ところで、アカデミー賞のあの黄金の像を「オスカー」と呼ぶが、その名が定着し始めたのが1930年代中頃からだ。命名のエピソードはいくつかあるが、公式には、1931年にアカデミー協会事務局に初出勤したマーガレット・ヘリックが、その黄金の像を見て一言、「おじのオスカーにそっくり」と言ったのが始まりだという。ちなみにオスカー像のデザイナーは、MGMの美術監督セドリック・ギボンズ。 さて、これまで「男優賞」「女優賞」とご紹介してきたのには訳がある。実は、第8回までは主演と助演に分かれていなかったのだ。初の「助演」男優賞、「助演」女優賞はそれぞれウォルター・ブレナン、ゲイル・ソンダーガードが受賞した。1936年のことだ。 毎年、悲喜こもごものドラマを披露してくれるアカデミー賞授賞式。発表の瞬間、俳優や女優たちのスクリーンでは見せない素顔が覗けるのも楽しみの1つではないだろうか。 約1ヶ月後、アカデミー賞に新しい歴史が刻まれる。 |
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