TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS) | ||||||||||
世界中が注目し、最も栄誉ある映画賞と言っても過言ではない「アカデミー賞」。どの映画が受賞し、誰がオスカーを手にしたかは話題になっても、誰が、どうやって候補者や受賞者を決めているのかを知る人は少ないのでは?
ということで、今回はアカデミー賞がどうやって決まるのかをご紹介しよう。 |
||||||||||
1.誰が決めるの? | ||||||||||
映画芸術科学アカデミー協会の会員が、授賞対象作品リストから選び、投票し、決めるというのが正解。同協会の会員は、現在6394人。その内、投票権を持っているのは5722人。今月25日に発表される第73回アカデミー賞受賞者(作品)は、この5722人によって決定したものだ。どうして、投票権を持つ会員と、そうでない人がいるのかは次回ご説明しよう。 | ||||||||||
2. 受賞対象は? | ||||||||||
受賞対象規約は、受賞対象規約はアカデミー賞の歴史の中で頻繁に改訂されている。中でも一番大きな改訂は、前回少しご説明したように、対象作品の公開日だろう。
第1回から第6回までは、授賞式の前々年の8月1日から前年の7月31日までの間に公開された作品が対象だった。作品によっては授賞式まで2年近く経ってしまうので、鮮度が落ちるとして、第3回から「授賞式は、受賞対象期間終了から4カ月以内に行う」という規定ができた(このため、第3回授賞式は、新規約への暫定回として、第2回と同年に行われたのだ)。 また、第6回までの受賞対象は、年をまたがっていたので、1928年~29年という表記だったアカデミー賞が、第7回からは、アメリカの年度制に合わせ「前年の1月1日から12月31日まで」が受賞対象規約となった。これにより、第7回から「1934年」というように、年をまたがない表記になった。 また、公開日のほかに、「ロサンゼルス地域内の商業劇場で、7日間以上有料で公開されたもの」という規定や、上映時間の長さ、フィルムの大きさなどいろいろあるが、ここでは割愛させていただく。こうした規定は、作品賞や男優・女優賞などのカテゴリーに適応される。ハリウッド映画に負けず、多くの日本人を魅了している『グリーン・ディスティニー』(00)は、今回、外国語映画賞の候補にもなっているが、同賞の規定は前述のものとは違うのだ。 第29回から、独立した部門になった同賞の現在の規定は、「セリフは製作国言語で、最初の公開は製作国であること」のほかに、前述と同じ「商業劇場で7日間以上有料で公開されたもの」という規定がある。また、「各国から1作品しか立候補できない」というルールがあり、インドやフランスなど年間製作本数がアメリカに迫る映画大国と、そうでない国との格差があるとして、現在、改訂希望の声が高まっている。 |
||||||||||
3. スケジュール | ||||||||||
昨年は、郵便局の手違いで投票用紙が行方不明になったこともあり(日本では考えられないが、アメリカではありがちなこと。私も、パスポートの入った書留郵便を紛失されかなり困った…)、今年は、協会事務局のある地域を管轄しているビバリーヒルズ郵便局長自らが立ち会うなどの配慮がなされた。 | ||||||||||
|
||||||||||
では、候補の選出から、受賞者(作品)の決定までのスケジュールを紹介しよう。 | ||||||||||
|
||||||||||
<<戻る |