TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 ◆「オスカー・チャッター」って知ってる?

 年に一度の映画界最大のお祭りとも言えるアカデミー賞授賞式。今年の式は終わったが、式の直前に取材した来年への予習情報をご紹介しよう。会場の前のレッドカーペットは、会場入りするセレブにインタビューを試みる世界中のマスコミで大混雑だったが、そんな模様を上から眺め、写真も自由に撮れる上、運が良ければセレブと話ができるのが、レッドカーペット上に設けられた一般席。ひな壇状になっているこの席は、一般人がアカデミー賞に直に触れられる唯一の場所であり、先着順にいい席がゲットできるとあって、映画ファン垂涎の的だ。その一般席に一番乗りしたのは、今年も「オスカー・チャッター」のグループだった。

 セレブや映画、アカデミー賞についてのファンによるチャット(おしゃべり)内容を掲載するメールマガジン「オスカー・チャッター」がベースのこのグループのメンバーは、アメリカをはじめ世界中にいる。代表のティナ・ヘルナンデスさんは、「アカデミー賞の一般席一番乗りを目指して初めて並んだのは、10年くらい前かしら。最初は私と友人だけだったけど、メンバーの読者に声を掛けたら年々参加者が増えたの」と言う。今年は、アメリカやドイツから32人が一番乗りを目指し泊まり込みのキャンプに参加した。

 一昨年までは会場付近の歩道にテントを張って並んでいたが、去年から禁止となり、歩道を追い出されてしまった。そこで彼らは、泊まり込み中に顔見知りになったシュラインオーディトリアム前の住宅のオーナーに訳を説明し、前庭でキャンプをして開場を待ったとのこと。今年も歩道での泊まり込みが禁止されたので、再びその家の前庭でキャンプして一番乗りを目指していた。「オスカー・チャッター」のアカデミー賞一般席一番乗りは、誰でも参加OKだ(詳しくはhttp://www.oscarchatter.freeservers.comまで)。来年、春休みを取ってやる?


この横断幕が目印! 「オスカー・チャッター」の参加者は、今年は3月14日から並んだという。(写真の女性がティナ。「一週間休暇を取って、こうしてオスカーを楽しむの」とハッピースマイルを見せてくれた)



一般席の最前列で黄色いTシャツを着ているのが「オスカー・チャッター」からの参加者
 ◆華やかなオスカーを彩る大事な脇役とは?

 アカデミー賞の会場のデコレーションで必要なものと言えば、レッドカーペット、巨大オスカー像のオブジェがまず思いつく。しかし、忘れてはならないのが、“花”だ。


「クレイジーなほど大変な作業だけど、とても名誉ある仕事だから嬉しいよ」と言うカリスマ・デザインのラリー・クレイン社長



会場前の巨大オスカー像は、横に立ってる人間と比べるとそのデカさが分かる
 レッドカーペットをはじめ、会場内のあちこちにあるフラワーアレンジメントを担当するのが、カリスマ・デザイン会社(http://www.charismaFloats.com)。オスカーの花を手掛けて今年で8年目になったこの会社は、もともと、全米最大のパレードの一つ、パサデナの「ローズパレード」の山車とフラワーアレンジメントの会社だ。

 元旦に行われるローズパレードが終わったら速攻、3月下旬のオスカーの仕込みに入る。今年は、切り花が40種7万本、鉢植えは12種2500鉢が用意された。トラック10台分になるこれらの花々のほとんどはカリフォルニア産だが、中には南米から取り寄せたものもあった。それらの花を、全米から集めた20人のフラワーデザイナーと、同社社員らを総動員し、約50人がかりで約1週間かけてデコレーションした。セレブの控え室などに置く、直径30センチほどの底の浅いボウルに飾るフラワーアレンジメントは75個作ったと言うから驚き!

 来年はいよいよハリウッドの新らしい劇場での開催だ。さらにゴージャスなフラワーアレンジメントが期待されるが、そんなレッドカーペットを見下ろしに行く?

■来週(4月12日)は「ゴールデン・ナイトレポート2001」をお届けします。お楽しみに!



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