TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 6月のイベント&プレミアレポート その2

 前号に引き続き、6月に行われたプレミア情報をご紹介しよう。


■6月25日(月):『Kiss of the Dragon』プレミア

 アメリカでは20世紀フォックスが配給するこの映画、プレミアが行われたのは20世紀フォックスのスタジオから歩いてすぐのロウズ・シネプレックス・センチュリープラザ劇場だった。アジアの星ジェット・リー(日本人にはリー・リンチェイでおなじみ)が主演&原案、『レオン』('94)や『フィフス・エレメント』('97)で世界に躍り出たフランス人監督リュック・ベッソンが脚本を担当、この夏話題のアクション映画とあって報道陣も多く駆けつけた。

 会場には、主役の中国人エージェントを演じたJ・リーをはじめ、プロデューサーとしてもクレジットされているL・ベッソン、共演者のブリジット・フォンダらが顔を出した。「リアル感を出すためアクションシーンでは本当に相手を殴り、まさにバイオレンス満載の映画に仕上がっている。子どもは見ない方がいいヨ」と言い切るJ・リー。中国アクション旋風が巻き起こっているアメリカでは、大人も子どもも彼の美しく切れ味のあるアクションを楽しみにしている。
「リー・リンチェイ先生(シーフー)」と
呼ぶと、照れ気味の笑顔で
答えてくれたジェット・リー


■6月26日(火):『Legally Blonde』プレミア

 名子役から、ティーンをスキップしてヤングアクトレスに成長したリース・ウィザースプーン主演の『Legally Blonde』のプレミアが、UCLAのキャンパス横にある(もうすっかりおなじみ!)マン・ビレッジ劇場で行われた。フラれた彼に再アタックするため法律学校の学生に変身する金髪ゴージャス・アーパー娘のエルを演じるR・ウィザースプーンは、プライベートでは1児の母。父親で夫のライアン・フィリップと共に現れた彼女だったが、マスコミ嫌いのライアンと、プレミア会場が満員御礼になったことから早々に会場を後にした。

 映画のプロモーションとして、雑誌コスモポリタンの読者でこの秋から大学に進学する“ブロンド”の女子学生のミスコンが行われ、10人の金髪ギャルがプレミアに招待された。このミスコンは一風変わったコンテストで、「金髪女=バカ」というイメージを払拭しようと「なぜ金髪女は黒髪女と同じくらい頭がいいか」というエッセーによって選考された。プレミア上映直前に優勝者が発表され、3,000ドル(約30万円)の奨学金が授与された。
レッドカーペットならぬ、
ピンクカーペットの上を濃いピンクの
ドレスで歩いたリース。
隣のモヒカン系チンピラ兄ちゃんは、
何と!ライアンだ。


■6月28日(木):『A.I.』プレミア

 ロサンゼルスに先だって行われたニューヨークでのプレミアには、スティーブン・スピルバーグが、新作映画の撮影中にもかかわらず出席したほか、ジュード・ロウも姿を現した。しかし、ロスのプレミアには彼らの姿はなかった。その代わり、日本から帰国したばかりのハーレイ・ジョエル・オスメントが再び笑顔を振りまき、丁寧にインタビューに答えながらレッドカーペットを歩いたほか(彼のマスコミの扱い方には、我々メディアの人間でさえ頭が下がります!)、フランシス・オコナー、特殊効果を担当したスタン・ウィンストンも出席した。
丁寧に取材に答えるハーレイ君
 また、会場近くで記者会見を行ったことから『Legally Blonde』のリース・ウィザースプーンが一人で現れ、マスコミの要望に丁寧に答えていた。そのほか、ブレンダン・フレイザー、シャロン・ストーン、マーチン・ランドー、ミラ・ジョボビッチらの顔もあった。
 この映画で、母親(とプログラムされた)モニカを愛してやまないロボットを演じたハーレイは、まったく瞬きをしていない。ハーレイいわく「最初は苦痛だったけど、そのうち慣れたよ。ロボットは瞬きしないからね。それから、同じ動作をする時には、まったく同じ動きをするよう心がけた。例えば、右に曲がるとか、左を向くとか、しょっちゅう出てくるだろ。全部同じような動きになっているはずだよ」と、さすが天才子役(というより天才俳優)な発言だ。

 ちなみにハーレイは普通の学校に、普通の生徒として通っている。近々、学校の演劇発表会があるそうだが、「セリフもなく、小さな役だよ。通行人その1って感じのね」と言う。オスカー候補になった俳優を、こんな贅沢な使い方ができるのはまさに学芸会ならでは。そして、それに関してステージ(ハーレイの場合は)パパがクレームを付けないのも、両親が極力一般の子どもと同じように教育している様子が伺える。
カメラマン1人1人に
2回以上は目線をくれる
ハーレイ君は、スターの鏡!


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