TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 『The One』『13 Ghosts』『The Angel』の豪華3本立てコンベンション

 このコーナーでもおなじみの、毎月第3日曜に開かれている「コミックブック&サイエンスフィクション・コンベンション」。10月は、なんと2本の映画、1本のTV番組のセレブがゲストとして登場し、恒例の観客とのQ&Aやサイン会が行われた。
 10月26日から全米公開されている、ハロウィンにふさわしいホラー映画『13 Ghosts』からは、主演のシャノン・エリザベス、マシュー・リラード、ラー・ディッガが会場に現れた。

 1960年に製作された同名映画のリメイクとなる本作だが、あちこちに21世紀らしい仕掛けがある。豪華な家を相続した一家は、その家がお化け屋敷だと気づいたころにはもう遅かった…というややありがちなネタだが、からくり仕掛けのその家の構造を把握するのにハマってしまうほどセットのデザインがすばらしい。

 実際、エリザベスは「とにかくあの家はマシンなのよ。それはもう、ものすごい仕掛けがあるのよ」とコメントしていたほど。また、「家の中の場面で登場する立体のからくり時計のようなセットはCGなのよ。びっくりよね」とラーは、VFXの見事さに心底驚嘆していることを観客にアピールした。
『アメリカン・パイ』のロシアからやって来た
セクシー留学生ナディア役で一気にブレイクした
シャノン
 終始会場を沸かせたマシューは、「裸の女の子に追いかけられるのは嬉しいけど、オバケじゃちょっと嫌だったね」と映画出演の感想を言って再び笑いを取った。観客から、「何が(誰が)13人目のゴーストになるの?」(オリジナルは、12人のゴーストが一家を追い回し、最後に殺された人物が13人目となった)という質問が出ると、「それはやっぱり観てのお楽しみだよ。みんな観てねー」とマシューがはぐらかしていた。
超気さくで優しいマシューは
笑いのセンスも抜群
興奮気味に映画初出演の体験を語った
ラーはラッパーでもある
 ジェット・リー(リー・リンチェイ)が1人2役で、しかも自分と闘うことで話題を呼んでいる映画『The One』からは、監督のジェイムズ・ウォンが会場に現れた。
 「最初はプロレスラーのザ・ロック(『ハムナプトラ2 黄金のピラミッド』(01)のスコーピオンキング役でおなじみ)だったんだけど、ジェット・リーに変わることになった時、バトルシーンをいろいろ変えなければならなくてちょっと大変だった」と、プロデューサーとしてのコメントをした後、カンフーマスターでアクションスターのリーとの撮影について話したウォン監督。

 中でも「リーのアクションがあまりにも早すぎてカメラに写らないのが困ったよ。撮っても、何をやっているのか分からない状態だったから、時々、スローモーションを撮るようにカメラを早回しして撮って、普通のスピードに戻したシーンもあるんだ」というエピソードが観客をうならせていた。
脚本家としてのキャリアが長いジェイムズは、
テレビの『X-ファイル』や『ファイナル・ディスティネーション』の
監督として注目された
 最後に登場したのは、アメリカの怪奇物オタクの心をがっちりつかんでいる人気テレビ番組『The Angel』のアンディ・ハレット。アンディの役柄は、悪魔が出入りする人気のカラオケバーの経営者で、カラオケ大好き悪魔The Host。そもそも悪魔がカラオケをするという突拍子もないアイデアが笑いを誘うが、アンディはその役を存分に楽しんでいるという。
 「メイクやヘアにものすごく時間がかかる上、とても違和感のあるコンタクトレンズをしなければならないので苦痛だらけだけど、歌を歌うのは楽しいね。でも、今日、ここでは歌ってはいけないんだ」と、隣に座る男性(TV局の担当者で、アンディが番組の極秘情報を漏らしたり契約以外のことをやらないようをよう見張りに来たらしい)をチラリと見て話した。

 おでこから2本角を生やし、恐ろしい形相の悪魔が楽しそうにカラオケをする姿は、カラオケ発祥の地日本生まれの私にとっては複雑だけど何だかくすぐったい感じがするのだが…。
メイクをしない方が断然イイ男のアンディ
(写真向かって右)
Q&Aの後はサイン会。
セレブとの距離はこんなに近い!



文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Cinema Navigator Izumi Hasegawa


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