TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 12月中旬はプレミアの嵐 その1
 毎年12月の中旬になると、毎晩のようにプレミアや試写会が開かれる。というのも、人々が日本の盆や正月、ゴールデンウィークのように長期休暇を取るからという理由に加え、アカデミー賞がからんでいるからだ。

 毎年3月に発表されるアカデミー賞は、前の年の1月1日から12月31日までに劇場公開された作品が対象だ。投票は2月頃行われるので、記憶に新しい作品ほど候補に上がりやすいのは事実。そのため、アカデミー賞を狙って12月に公開が集中するのである。公開ラッシュとなれば、プレミアや試写会もラッシュだ。というわけで、各会場も(もちろん私も)フル稼働となったプレミアをご紹介しよう。


■12月3日(月) 『I am SAM』 (アカデミー賞事務局ビルにて)
 ショーン・ペンとミシェル・ファイファー主演の『I am Sam』のプレミアはアカデミー賞事務局ビルにて行なわれた。

 友人の協力の下、一人娘のルーシーを育てていた知能障害を持つサムは、娘の養育権を失いかける。しかし、彼のひたむきな愛情と父子の強い絆に人々は心を動かされ、2人は再び一緒に生活できるようになるという本作は、涙なしでは観れない感動ドラマだ。

 プレミアには、主演のS・ペンがロビン・ライト・ペンと、また、ミシェル・ファイファーはデビッド・E・ケリーとそれぞれ夫婦そろって現れたほか、ルーシーの熱演で天才子役ぶりを発揮したダコタ・ファニングもおめかししてレッドカーペットを歩いた。
サムに影響される女弁護士役を
見事に演じたM・ファイファー


■12月6日(木)『The Royal Tenenbaums』 (エル・キャピタン劇場にて)
 『The Royal Tenenbaums』は、『シャンハイ・ヌーン』(00)でジャッキー・チェンと絶妙なコンビを見せたオーウェン・ウィルソンが共同脚本を担当したコメディ映画。『ミート・ザ・ペアレンツ』(01)でロバート・デ・ニーロを相手に笑いを取りまくったベン・スティラーが、今度はジーン・ハックマンとコメディ演技を競う。 

 テネンバウム家の3人の子ども、チャズとマーゴットとリッチーは、エキセントリックな親の英才教育を受け、若くして名声と財を成した。しかし、父親ロイヤルの自分勝手さに耐えきれず、家族はロイヤルを家から追い出してしまう。20年後、破産したロイヤルは住む場所を失い、不治の病と偽って家に戻ってくる。また、それぞれ家庭を持ち外で暮らしていた子どもたちも、何故か家に戻り、家族が再び一つ屋根の下で生活するのだが、個性の強い彼らはさまざまな事件を巻き起こす。

 テネンバウム一家を演じたB・スティラー、G・ハックマン、そして、グウィネス・パルトロウ、アンジェリカ・ヒューストン、ルーク・ウィルソンのほか、ゲストとしてデビッド・ドゥカブニーらがプレミアに出席した。
子役の共演者を見つけ、手を振りながら笑顔で駆け寄るグウィネス


文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa/Cinema Navigator


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