TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 12月はプレミアの嵐 その2
 前号でもお伝えしたとおり、毎年12月の中旬になると毎晩のようにプレミアや試写会が開かれる。昨年2001年もそうだった。 ということで今回も、先月、連夜のように行われたプレミアを続々ご紹介しよう。


■12月9日(日) 『The Shipping News』 マン・ナショナル劇場にて
 ケビン・スペイシー、ジュディ・デンチ、ジュリアン・ムーア、ケイト・ブランシェットといったアカデミーをはじめ各映画賞で演技賞を受賞または候補になった演技派俳優が競演する『The Shipping News』は、ピューリッツァー賞を受賞した小説が原作。

 プレミアでは、K・スペイシーが映画館の売店で売っているお菓子を手にしながらお茶目にレッドカーペットを歩いたほか、原作者の女流作家E.アニー・プロックス、共演のスコット・グレンやリース・アイファンスの姿も見られた。

 また、K・スペイシーの娘バニーを演じたアリッサとケイトリンとローレンの三つ子(三人一役)がドレスアップして出席したが、折しも木枯らしが吹き荒れる夜となり、歯をガチガチさせながら懸命に笑顔を作っているのが健気だった。また、昼間のインタビューをドタキャンし、プレミアには駆け込みで現れた監督のラッセ・ハルストレムと妻のレナ・オリンは、急に降り出した雨にあわて早々に中に入ってしまった。
持参のお菓子で顔を隠してお茶目なポーズをするオスカー俳優K・スペイシー


■12月10日 『バニラ・スカイ』 グローマンズ・チャイニーズ・シアターにて
 この映画の共演がきっかけで付き合うようになったトム・クルーズとペネロペ・クルスは、木枯らしが吹き荒れる中、アツアツぶりをアピールしながら最初にレッドカーペットを歩いた。

 この夜は、木枯らしと冷え込みで、あまりの寒さにカメラを持つ手がかじかみ、しもやけになった私。出席セレブも寒さに体を堅くしていたが、特にペネロペは肩の開いたドレスで来たためガタガタとふるえる始末。それを見たトムが自分のジャケットを彼女の肩に掛ける一幕もあり、一般客からため息が漏れていた。

 監督のキャメロン・クロウ、共演のキャメロン・ディアス(彼女は防寒バッチリのファッションだった)、カート・ラッセル、ジェイソン・リーのほか、ケイト・ハドソン、クリスチャン・スレーター、コートニー・ラブ、デビッド・ハッセルホフ、ベック、ダイアン・レインなども出席した。

 トムをはじめ、各セレブは沿道のファンのもとにかけより、サインや写真などのリクエストに気軽に応じるなど、日本では考えられないほどオープンなプレミアだった。
寒そうなペネロペ。すぐ後ろの一般人の人垣と、こんなに距離が近い


■12月11日 『Kate & Leopold』 マン・ブリューイン劇場にて
 ラブコメの女王メグ・ライアンが、再び王道の恋愛コメディに主演した『Kate & Leopold』。相手役は、映画の中では年上だけど、実際はメグより7歳年下のオーストラリアのセクシー俳優ヒュー・ジャックマンで、この日彼は8歳年上の奥さんデボラと仲良くレッドカーペットを歩いた。

 デニス・クエイドと離婚し、ラッセル・クロウとも別れシングルに戻ったメグは、1人で出席し、足早にカメラマンの前を通り過ぎていった。

 映画の関係者としては、監督のジェイムズ・マンゴールド、共演したブラッドリ・ウィットフォードとブレッキン・メイヤーらが出席したほか、ゲストとして、新婚のジョナサン・シャーチ(アメリカではシェックと発音)とクリスティナ・アップルゲートのカップル、そして、テレビシリーズ『ER 緊急救命室』のアレックス・キングストンが姿を現した。



シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa/Cinema Navigator


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