TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 歴史探訪10 サンタモニカ
 連載52でもご紹介したサンタモニカ・ピアなど、サンタモニカは映画ファンにも見どころいっぱいの場所だ。
 サンタモニカ・ピア(桟橋)は、1916年に建てられた、西海岸でも最古の桟橋。ここには、レストラン、水族館、遊園地などがあるほか、許可証無しで釣りも楽しめる。(アメリカでは釣りをするのに免許が要る!)桟橋上に駐車場もあり、ボードウォーク(木を並べて作った道)上に車を停めるというサンタモニカならではの醍醐味も味わえる。

 この桟橋の入り口には、写真のようなゲートがあり、映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』('94)にチラっと出てくる。
桟橋入り口
 さて、そのゲートをくぐり、桟橋に入ってすぐ左側にある建物の中に、『スティング』('73)に出てきた例のメリーゴーランドがある。映画と比べると、建物の外観や室内の装飾などはかなり違うが、それでもよーく見ると「ここだ!」というのを発見できるので、事前に映画を観て予習することを薦める。

ロバート・レッドフォードが、ポール・ニューマンの寝ぐらを女性に尋ねた場所は、駐車場側の出口の脇にある外の階段。また、彼の寝ぐらへの入り口は関係者以外立ち入り禁止だ。このエリアは、子どものお誕生会会場として使われることが多く、その時は一般客の立ち入りができなくなる。写真を撮りたいならお昼を過ぎてからが狙い目。

 このメリーゴーランドは、珍しい木製でドイツとイタリアの移民の職人が、1922年に作ったもの。テネシー州で使われていたのを、1947年にサンタモニカに移した。現在も現役で、子どもたち(もちろん大人も!)を喜ばせている。
建物内の天井を見上げると、映画に登場したモザイク窓が見える

料金:入場料無料。乗り物によって違い、
1~5ドル前後
開園時間:季節によって異なるが、夏期と休日は
毎日開園
 桟橋入り口から数ブロック南に「ホテル・カリフォルニア」という音楽ファンの心をくすぐる名前のホテルがあり、その隣のロウズ・ホテルが映画のマーケットAFMが毎年開かれる場所。今年も今月20日から27日まで世界の配給会社がここに集まりどの映画を自分の国で配給するか物色する。自分の出演した映画が高値で世界配給されるように、俳優や監督も会期中は様子を見に訪れることがあり、数年前キアヌ・リーブスもここで目撃されている。

 ロウズ・ホテルの正面玄関前を通るオーシャン・アベニュー沿いにはたくさんのホテルが海に向かって林立している。桟橋入り口から2ブロック北にあるジョージアン・ホテルは映画『ゲット・ショーティ』('95)で、マイアミのホテルとして登場している。

 ジョージアン・ホテルの2ブロック陸側にあるのが、サンタモニカの歩行者天国商店街「サード・ストリート・プロムナード」。この通りにあるGAPでメグ・ライアンがジーンズを試着した情報があるなど、セレブがお忍びで買い物に現れる場所だ。バッタリお気に入りのセレブに会えるかもしれない。
桟橋上にはこんな出店も。セレブとサンタモニカで2ショットが楽しめる露天の写真館。見た目はチープだが、写真写りはかなりイケてる 天気がいいと、観光客だけでなく地元の住民も日光浴や海水浴に出かけてにぎわうサンタモニカの海岸。しかし、予想以上に水が冷たいので日本人は足だけが無難


文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa/Cinema Navigator


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