TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)
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第22回AFM(アメリカン・フィルム・マーケット)
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ことしもサンタモニカのロウズ・ホテルを会場に、2月20日から27日まで、1週間の日程でAFMが開かれた。AFM(アメリカン・フィルム・マーケット)は、その名の通り映画のマーケット。世界各国の映画配給会社が、アメリカをはじめ世界のプロダクション/配給会社から映画を買い付けるコンベンションだ。
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今年は売り手が342社と、去年よりも10社多くなったものの、買い手は去年より約8%減の約1800社となった。一方、試写会の数は、22年の歴史の中で第2位を記録する多さとなった。日本からは、ポニーキャニオン、東映、松竹といったAFM常連に加え、今年は東宝もブースを構え、日本映画を世界にアピールした。
『ウォーターボーイズ』(01)、『ナースのお仕事 ザ・ムービー』(02)、『カタクリ家の幸福』(02)、『RED SHADOW 赤影』(01)、『バトル・ロワイアル』(00)『千年の恋 ひかる源氏物語』(01)といった日本人にはおなじみのタイトルはもちろんだが、アメリカに根強いファンのいるゴジラの新作『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』(01)は、試写会での注目度も上々だったようだ。
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各映画会社のブースに置いてあるチラシ。写真左端の下の赤い冊子は、各社の連絡先やホテル内でのブースの場所などが記されているAFM2002のパンフレット |
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香港からはゴールデン・ハーベスト社やメディア・アジア・グループ、チャイナ・スター・エンターテインメント・グループなどがブースを構え、近年の香港/中国カンフー映画ブームに迎え撃ったが、全体的に賑わいに欠けたマーケットの影響を受け、「去年ほどではない」という答えが多かった。また、目玉となる作品の『2002』(ニコラス・ツェー主演のゴーストバスターズ&アクション映画)が東洋思想ベースだったこともあり、西洋人バイヤーの多いAFMでは苦戦したようだ。 |
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アメリカの会社としては、アカデミー賞主演女優賞候補になった『チョコレート(原題:Monster's Ball)』(02)が目玉のライオンズ・ゲート・フィルムズや、去年、香港の会社がAFMで販売していた『少林足球(邦題:少林サッカー)』(02)が『Kung Fu Soccer』にタイトルを変えて西洋諸国に売り込みをかけるミラマックス(同作品は4月に全米公開が決定)、『ジョンQ』(02)や『ブレイド2』(02)など上質のドラマとアクション映画を売るニューライン・シネマといった大御所はもちろんだが、マシュー・マコノヒー主演の『Thirteen Conversations About One Things』(02/5月公開予定)やイーサン・ホーク主演の『The Jimmy Show』(02)などをマーケットに出したOversears Filmgroup/First Look Media Inc. という日本人にはなじみのない会社も善戦していた。
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今年のポスター |
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個人的にラインナップに注目したのはMyriad Pictures。ブラピ夫人のジェニファー・アニストンが新境地のシリアスドラマに挑戦した『The Good Girl』(02)や、アントニオ・バンデラスとエマ・トンプソンが共演する『Imagining Argentina』(03)、ヘザー・グラハムとジョゼフ・ファインズ共演で陳凱歌が監督をする『キリング・ミー・ソフトリー』(02)など、公開が待ち遠しい作品を持っていた。
文=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス) Text by Izumi Hasegawa/Cinema Navigator
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