TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 3月のプレミア報告『タイムマシン』、『ショウタイム』他

 3月はアカデミー賞を筆頭にSAG賞、脚本家労働組合、全米監督労働組合、プロデューサー労働組合などの賞が開かれるため、例月に比べてプレミアの数が少ない。その中でも3本のプレミアを取材したのでご紹介しよう。加えて4月に開催された1本もレポートする。


■3月4日(月)『タイムマシン』 マン・ビレッジ劇場

 空想科学小説の王、H・G・ウェルズの同名小説を、孫のサイモン・ウェルズが監督した。本格的な映画化は本作が2作目で、1960年のオリジナルに登場したタイムマシンのデザインを忠実に再現し、マニアの心をくすぐる。
 プレミアには、ガイ・ピアース、サマンサ・ムンバら主役陣のほか、共演のオーランド・ジョーンズ、ヤンシー・アリアス、そして、『スター・トレック・シリーズ』のパトリック・スチュワート、ジェリ・ライアンらがゲストとして招かれた。

 恋人を事故で亡くした若き科学者アレキサンダーは、過去に行って恋人を救おうとタイムマシンの開発に励む。マシンが完成し、早速過去に旅するが、彼女を何度救おうとしても、やはり死んでしまう。「過去を変える」ためには何が必要かを知ろうと、アレキサンダーは未来へ旅をするが、納得のいく答えが見つからず、失意のうちに遙か未来へトリップしてしまう。一度滅んでしまった文明を再建中のその未来世界で、彼は「未来を変える」ことにするのだった。

 未来世界でアレキサンダーの心を動かすヒロインを演じのはS・ムンバ。アイルランドの若手歌手で、本作が映画初出演だ。
アイリッシュとアフリカ人のハーフでエキゾチックな容貌のS・ムンバ


■3月11日(月)『ショウタイム』 グローマンズ・チャイニーズ・シアター
 ロバート・デ・ニーロとエディ・マーフィーがチームを組んだコメディ刑事映画の本作には、なんとデ・ニーロの娘ドレナ・デ・ニーロが出演している。レッドカーペットで滅多に立ち止まらないデ・ニーロだが、今回は父娘共演とあってかカメラマンの前で、若干ポーズまで取るサービスぶりだった。しかし、カメラマンのほとんどは、娘との2ショットよりも共演のレネ・ルッソとの2ショットをリクエストしていた。ハリウッドの非情な世界である。

 そのほか、エディ・マーフィー、ウィリアム・シャトナー、ジュダ・フリードランダー、ペドロ・ダミアンら出演者に加え、ウィル・スミス、エリック・ラ・サール、ミニー・ドライバー、キーネン・アイボリー・ウェイアンズらがゲストとして出席した。

 
父娘の2ショットでデ・ニーロ家族写真?!
 ロサンゼルス警察の刑事ミッチは、ワイルドな仕事のやり方で署内でも一目置かれていた。一方、同じくロサンゼルス警察に所属しながらも、パトロールがメインの制服警官トレイは、刑事か俳優になるのが夢で、今日も刑事ドラマのオーディションを受けてきたばかり。そんな2人が、ひょんなことから警察の逮捕劇をリポートするリアリティ番組“Show Time”の主役に選ばれる。最初は息のまったく合わない2人だったが、行動を共にするうち相棒の絆で結ばれる。
 デ・ニーロとマーフィーのデコボコぶりも見ものだが、テレビカメラの前で演技できない刑事を演じるデ・ニーロの芸達者ぶりはさすがだ。娘のドレナは、“Show Time”のプロデューサーのアシスタント役だが、個性的派女優としての第一歩を踏み出した。


■3月16日(土)『E.T.20周年アニバーサリー特別篇 』 シュライン・オーディトリアム
 公開20周年を記念して、未公開シーンやVFX(特殊効果)などを加えて再上映されることになった『E.T.』のプレミアには、スティーブン・スピルバーグ監督、ドリュー・バリモア、ヘンリー・トーマス、C・トーマス・ハウエル、ディー・ウォレス・ストーン、ピーター・コヨーテ、エリカ・エレニアクといったオリジナルのメンバーが勢ぞろいした。
 また、同プレミアにはたくさんのゲストが招かれた。イーサン・ホーク、アーノルド・シュワルツェネッガー、ハーレー・ジョエル・オスメント、ダコタ・ファニング、アリソン・ハニガン、ネーブ・キャンベル、アン・ハザウェイ、キャスパー・ヴァン・ディーン、そして、『Spy Kids』のアレクサ・ベガ、ダリル・サバラ、ダニー・トレホはそろってレッドカーペットを歩いた。

 久しぶりに観たら、やっぱり“いい映画”だと再確認した。自転車が宙を走り出す瞬間のワクワク感と、D・バリモアの演技は素晴らしい!!
同窓会と言った雰囲気で肩を組む3人
 (写真向かって左から、S・スピルバーグ、
当時7歳だったドリュー・バリモア、エリオット役のH・トーマス)


■4月2日 『Big Trouble』エル・キャピタン劇場
 昨年秋公開予定だったが、飛行機に爆弾を積むシーンなどがあることから封切りが延期されていた本作がいよいよ公開。
 プレミアには、主役のヤモメ男を演じたティム・アレンのほか、共演のデニス・ファリナ、ヘビー・D、ズーイ・デシャネル、ベン・フォスター、D・J・クオルス、ソフィア・ヴェルガラ、監督のバリー・ソネンフェルドらが出席した。また、ラップ仲間のヘビー・Dの応援に、フレッシュ・プリンスことウィル・スミスが駆けつけ、マスコミとファンを湧かせた。

 中年のヤモメ男エリオットは、息子のクラスメートの母親で、ヤバイ仕事をして金を儲けるちょっと頭の弱い夫アーサーに辟易している有閑主婦アンナと急接近。一方、アーサーのお手伝いニーナは、こっそり庭の木の枝に住み着いたヒッピー青年パギーと仲良くなる。そんな折、武器商人から爆弾を買おうとしたアーサーを、おバカ強盗ペアが襲い、爆弾の入ったスーツケースを大金入りだと誤解して奪うのだが……。10人以上のキャストが織りなす、アンサンブル・ドタバタ・コメディ。
ニーナ役のS・ヴェルガラは、コロンビア出身のモデル。
ホットな容姿(見よ!このバスト!)とセクシーなハスキーボイスで人気急上昇中
文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa/Cinema Navigator


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