TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 アカデミー賞授賞式ベスト&ワースト・ドレッサーは誰?

 アカデミー賞授賞式が終わると、テレビや雑誌は出席セレブたちのドレスやヘアについて一斉に批評を発表する。マスコミだけでなく、アメリカでは友人同士でもベスト・ドレッサーとワースト・ドレッサーについて話の花を咲かせる。皆さんのお気に入りセレブの評判は?
 各マスコミの批評を総括すると、今年のアカデミー賞は、オスカー像もスピーチもファッションもハル・ベリーの一人勝ちだった。

 上品ながらオリジナリティ溢れる彼女のドレスは、ベイルートをベースにするデザイナー、エリー・サーブのもの。アカデミー賞の授賞式に出席したセレブが、エリーのドレスを着たのは今回が初めてだ。ファッション・センス抜群のハルならではのチョイスが見事成功した。
各誌で特集されたベスト&ワースト・ドレス
 ちなみに、去年ベスト・ドレッサーとして票を集めたジュリア・ロバーツ、そして3年前のアカデミー賞でピンクのドレスが評判だったグウィネス・パルトロウは、それぞれ主演女優賞を受賞している。ドレスとオスカーとは深い関係があるのかもしれない。 

 ハルに続くのが、残念ながら受賞は逃したものの、トム・クルーズと離婚後、女を上げたニコール・キッドマン。マスコミ当たりも抜群で、美人を鼻に掛けず、気さくなところが同業者を始め一般の人をも魅了している最近の彼女。この日はシャネルの淡いピンクのドレスで出席。フランス人形のような白い肌にとてもよく似合っていた。
ピンクのドレスが、人形みたいなニコール
 そして、いきなり上位に躍り出たのが、『キューティー・ブロンド』(01)のヒットでハリウッド番付赤丸急上昇中のリース・ウィザースプーン。黒のレースが決め手のバレンチノがデザインしたクラシック調ドレスは、シックかつキュート。加えてドレスに完全にマッチしたヘアスタイルという、まさにパーフェクトな装い。アカデミー賞授賞式がハリウッドで開かれていた「ハリウッド黄金時代」からタイムスリップしたようなスターっぷりだ。夫のライアン・フィリップは、「世界一美しい女性。ヘアスタイルは、今までで一番可愛く見えるね」と彼女のファッションについてコメントしたという。
 モダン&アバンギャルドな雰囲気で去年とはがらりとイメージを変えたジュリア・ロバーツ、ダイエットに成功し、赤のドレスを見事着こなしたケイト・ウィンスレットも注目を浴びた。

 そのほか、夫のウィル・スミスと色の組み合わせをマッチさせた1963年のビンテージ・ドレスで出席したジェイダ・ピンケット=スミス、手術後の経過良好を見せつけセクシー女優復活を体現したシャロン・ストーン、アカデミー賞直後に公開された『パニック・ルーム』(02)が好調のジョディ・フォスターらも、ベスト・ドレッサーにランクインした。
 また、去年に続き、ファッション・レポーターたちのウケが良かったのが、レネ・ゼルウィガー。昨年の黄色のドレスと言い、今回の黒のドレスと言い、シンプルかつゴージャスなドレス選びのセンスはピカイチだ。

 「寝起きのまま行ったの」と、レポーターのツッコミにトボけて答えたキャメロン・ディアスは、髪はバサバサ、壁紙のような柄の大判スカーフを引っかけたようなドレスで出席し、マスコミを困惑させた。

 さて、ワーストだが、去年のビョークのように超トンでるファッションのセレブはいなかったが、「ドレスの上半分を着るのを忘れてきた」とツッこまれたグゥイネス・パルトロウは、各誌で見事(?)ワースト・ナンバーワンに輝いた。

 票が分かれたのがジェニファー・コネリー。ある人は絶賛し、ある人はコキおろした。流行りのフリンジをクラシック・スタイルに入れたかった気持ちは分かるが、何となくヒッピーっぽい感じがしたのは私だけだろうか。また、フェイス・ヒルの人魚ドレスは、「パステルカラーの鯉のぼり」みたいで苦笑した。
寝起きファッション(?)で
注目を集めたキャメロン
 メンズのほうでは、長い上着が流行りだったようで、主演男優賞を受賞したデンゼル・ワシントン、彼と競いながらも途中退場したウィル・スミス、ハルの夫エリック・ベネットら話題の男たちはみんなロング・タキシードだった。

 アメリカでは、セレブが着て話題になった、こうしたドレスのデザインをコピーして安く売る店がある。卒業プロムや結婚式などで、もれなく人気者になりセレブ気分が味わえるとして好評だという。アメリカに旅行した際、自分用おみやげに一着いかが?
文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa (Cinema Navigator)


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