TEXT BY はせがわいずみ(FEATURE PRESS)

 4月のプレミア報告

 アメリカでは、映画が封切られる数日前にプレミアが開かれる。出演者や監督などのほか、有名セレブがゲストに招かれて行われる試写会のことだ。映画宣伝の一環として行われるので、レッドカーペットを歩くセレブたちをマスコミが取材する。今回も、写真撮影のみのマスコミ用エリアに入り、セレブたちの横顔を捕らえたのでご紹介しよう。


■4月9日(日)『チェンジング・レーンズ(原題)』パラマウント劇場
 ベン・アフレックとサミュエル・L・ジャクソンが火花を散らすサスペンス映画の本作は、ニューヨークのやり手弁護士とアルコール依存症から立ち直り真面目に人生の再出発をしようとした貧乏な男の仕返しゲームを描く。2人がドツボにハマって行く様は、今のアメリカの世相に一石を投じるきっかけになりそうだ。実際にアルコール依存症のリハビリ経験のあるB・アフレックが、同症状から立ち直ろうとする男をイジメる役という皮肉な作品でもある。

 プレミアには、いつもよりずいぶんゴキゲンでマスコミ取材をこなすB・アフレック、気さくなサミュエル・L・ジャクソンのほか、『ハイ・クライムズ』(02)にも出演し、本作ではB・アフレックの妻を演じたアマンダ・ピート、俳優として出演した名監督のシドニー・ポラックらが出席した。また、ゲストとしてダスティン・ホフマン、ソーラ・バーチ、トラボルタ夫人のケリー・プレストンらが招待された。
なかなかカメラを向いてくれなかった
B・アフレックは、実は照れ屋さん?


■4月10日(水)『The Cat's Meow 』ハーモニー・ゴールド劇場
 1924年のハリウッドを舞台にした本作のプレミアには、実在の女優マリオンを演じた主役のキルステン・ダンストのほか、チャーリー・チャップリンを演じたエディ・イザード、有名な映画製作者で監督のトーマス・インス役のケイリー・エルウィズ、共演のジェニファー・ティリー、エドワード・ハーマン、監督ピーター・ボグダノビッチ、脚本家のスティーブン・ペロスらが出席した。

 喜劇俳優ウィリアム・ランドルフ・ハーストは、1924年の11月、自前の大型クルーザーで週末のクルージングパーティを催す。招待されたのは、インスやチャップリンらハリウッドの有名人たち。しかし、そのパーティで予期せぬ事件が起きてしまうのだった。謎に包まれたT・インスの死を題材にしたミステリーを、チャールストンの音楽に乗せて明るく描く。
脚本家にしておくには惜しい?!
かなりハンサムなS・ペロス


■4月15日(月)『My Big Fat Greek Wedding』シネラマドーム内アークライト劇場
 トム・ハンクスと夫人のリタ・ウィルソンがプロデュースする本作は、タイトル通り、ギリシャ系アメリカ人の盛大な結婚式をコメディタッチで描く。30歳を過ぎたトウラはやっと人生のパートナーを見つけるが、ギリシャ系の家族のしきたりに彼が抵抗を感じるのではないかと不安に思ってしまう……。

 プレミアには、T・ハンクスとR・ウィルソンが開場後すぐに現れ、関係者を慌てさせたほか、監督主演のニア・バルダロス、レイニー・カザンが出席した。また、ゲストとしてミミ・ロジャース、ダコタ・ファニング、ジョナサン・シェックとクリスティーナ・アップルゲート夫妻が招待された。
キャストや関係者全員でハイ!ポーズ


■4月17日(水)『スコーピオン・キング』 ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド内劇場
 『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』(00)に出てきたキャラクター、スコーピオン・キングが主人公の本作。スコーピオン・キング役は、前作同様プロレスラーのザ・ロックことドゥエイン・ジョンソン。
 ピラミッドの時代よりも前、ゴモラの街を支配するメノンは、“賢者”と呼ばれる超能力者を従え、近隣の街の征服を成功させていた。メノンの悪政に苦しむ砂漠の民たちは、彼の力を奪おうと“賢者”殺しの暗殺者としてマサイアスを雇う。しかし、“賢者”が女性で、メノンに脅されていることを知ったマサイアスは、一人メノンに立ち向かうことを決心する。往年のハリウッド冒険ロマンに香港テイストがミックスした冒険浪漫活劇の本作は申し分ない娯楽映画に仕上がっている。

 ザ・ロックを一目見ようと格闘技ファンが集まり大騒ぎとなったプレミア会場には、ザ・ロックのほか、共演のケリー・ヒュー、マイケル・クラーク・ダンカン、スティーブン・ブランド、グラント・ヘスロフ、ピーター・ファシネリらが出席した。また、『ハムナプトラ』シリーズの主演ブレンダン・フレイザーが応援に駆けつけたほか、ビル・パクストンは嬉しそうにチケットをカメラに見せながらレッドカーペットを歩いた。
ファッションにも気を遣うロック様は、
白のスーツでキメていた
 シネマ・ナビゲーターはせがわいずみがお送りするレポートは今回で終了します。長い間ありがとうございました。

文&写真=シネマ・ナビゲーターはせがわいずみ(フィーチャープレス)
Text & Photo by Izumi Hasegawa/Cinema Navigator


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