TEXT BY 坂本マリ

 現場潜入!レニー・ゼルウィガーとユアン・マクレガーの新作ロケ・レポート

 今回のハリウッド情報は、『ダウン・ウィズ・ラブ(原)』のロケ現場潜入ルポ!今をときめくレニー・ゼルウィガーとユアン・マクレガー共演のロマンチック・コメディーは、来年春公開予定。1963年の華やかなファッションの撮影風景を早速のぞいてみよう!
 時間は午前5時半。まだ夜明け前だというのに、ユニバーサル・スタジオのメインゲートに車が列をなしている。この車の列は延々午前7時までつづく。車の中を覗くと老若男女、皆眠そうにセキュリティー・チェックを受けている。あの9月11日のテロ事件以降、それ以前にはなかったトランク検査と鏡で車体の下までチェックするという厳重な警備体制が敷かれている。ゲートのコンピューターに名前が登録されていないと確認をとるまで通してはくれない。この夜明け前の長い列を作る人々は本日、クランクインの映画『ダウン・ウィズ・ラブ(原)』の関係者とエキストラである。
朝早くからできる行列….
 車を指定された場所に駐車し外へでると、シャトルバスがセットへと運んでくれる。読者の皆さんの中にもユニバーサル・スタジオのバス・ツアーに参加したことがある方がいると思うが、そのツアーの中にニューヨークの街がまるごと1つあったことを覚えているだろうか。それは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』('85)にでてくる時計台のセットの場所の横に位置している。この時計台の前に大きなテントが張られていて、その周りにはいくつものトレーラーが並んでいる。それらのトレーラーの中にはこの日エキストラ270人分の衣装や照明、撮影器具が積み込まれている。
 この日出演したエキストラは全員、事前に衣装合わせに行っている。というのもこの映画は1963年という時代設定だからだ。すべての衣装は古きよき時代のヴィンテージ物、髪型も化粧も当時のスタイルでなければいけないのでこれまた270人がヘアーメイクさんのお世話になる。肩くらいまでの髪の長さの女性は、毛先をクルッと外側にカールされ、そして目尻に付けまつげ、まるでジャクリーン・ケネディを彷彿させるような格好をさせられる。
 空もようやく明るくなりセットへと向かう。セットの建物1つ1つを見てみるとカフェやテーラー(洋服の仕立て屋)など当時のたたずまいが再現されている。建物だけではない。車やタクシーもすべて当時のモデルで、道の両サイドに停められていてクラシックカー・ファンには、たまらない光景。
 これらの車やタクシーは、実際にエキストラ・ドライバーによって運転されるのだが、270人のエキストラの内3人ほどがTaxi robbery(タクシー泥棒)としてキャストされていた。ほかのエキストラがスーツを着ているのに対し、彼らはちょっとみすぼらしいシャツにサスペンダーにズボンといった格好をさせられていて、この最初のワイドショットで、信号待ちで停まったタクシーからお金を強奪し逃げ、それを警察が追い掛けるという演技を指示されていた。メインの俳優からむシーンではないので、実際に写っているかどうか分からないが、そんな細部にまでこだわるところがハリウッド映画ならではである。
こんなに凝った衣装が270人分!
ハリウッド映画はやっぱり凄い!
 ところで気になるこの映画の中身。主役は『ブリジット・ジョーンズの日記』(01)で世界の女性から共感を得た、レニー・ゼルウィガーと『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 』(02) 『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』 ('99) の我らのマスター・ジェダイ、ユアン・マクレガーの2人で、フェミニスト作家のレニーが、プレイボーイのジャーナリスト、ユアンに誘惑されるというストーリー。この今をときめく2人の共演と1963年の華やかなファッション。どんなロマンティックコメディーになるか今から楽しみである。この撮影は8月一杯まで行われ、公開は来年春の予定。


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