TEXT BY 坂本マリ

 ロケ地潜入ルポ  砂漠に現れたエルドラドの謎!?
 『スコーピオン・キング』のザ・ロックことデュエイン・ジョンソンの次回作

 ロスアンジェルスから北へ車で走る事20分。ここサンフェルナンド・バレーは、サンタモニカやベニス・ビーチなどの観光エリアとはうってかわって砂漠とハゲ山のそびえ立つ乾いた地域だ。フリーウエイをおりると黄色地に黒字でHelldoradoと書いてある。あの伝説の黄金の都ヘルドラード?
 いやいやこの黄色いサインは映画やテレビ、コマーシャル等の撮影ロケーションへの道しるべなのだ。まずセットに行く前にベース・キャンプに到着。いつも映画のセットにみられる朝食を提供するケータリング・トラックや衣裳を積んだトラック、エキストラの人たちが着替えるテントなどがあり、朝の6時半だというのに、もう200人もの人たちが集まっている。

 エキストラの人たちの服が、皆みすぼらしくつぎはぎだらけな上にドロだらけ。
赤土をわざわざもってくるという、ハリウッド映画のこだわり
 ヘアメイキャップのトレイラ−を覗くと、顔も黒や茶色のアイシャドーで、汚れたようなメイクを施している。髪はいうと、ディップをべたべたに塗られ“3週間洗ってないような状態”の出来上がり。さらに、肌の見えてる腕や足にも、ドロメイク。こういう場合はちゃんとギャラとは別のボディペインティング代が加算されるので、誰も文句を言わない。

 準備が整うといよいよ撮影だ。200人のエキストラを乗せたシャトル・バスでセットに向かう。さて、セットは一体どこに? なんと砂漠の中に村が作られていて、バナナの木など南国情緒な木が生えている。そのセットの村の部分だけ、どこかから赤土を運んできたらしく、もともとの土の色が違うのが際立っている。建物の壁や看板、店に並ぶ品物にはポルトガル語が書かれている。ここはブラジルのとある貧しい村、という設定なのだ。驚いたのは、にわとりやヤギ、ロバまでもが用意されていたことだ。日本でいう湘南プロダクションみたいな動物専門の事務所があるに違いない。
 さて気になるスターは? ジープに乗ってさっそうと降りてきたのは、前作『スコ-ピオン・キング』(02)でスクリーン・デビューを果たしたWWEプロレスラーのザ・ロック、スクリーン・ネームはドュウェイン・ジョンソン。ザ・ロックにとっては初のコメディー作品となるようだ。レイバンのサングラスにカーキ色の軍服に身を包んだ彼は少し体重が落ちたように見える。共演者は『アメリカン・サマー・ストーリー アメリカン・パイ2』(01)のおちゃめな演技で日本でも人気のでてきた、コメディ俳優ショーン・ウイリアム・スコット。
架空の村の村人と軍人役のエキストラたち
 気になるストーリーはというと、罪に問われて追われる身のショーンを捕まえたザ・ロックだが、ショーンはシロである事がわかり、その後2人で結託し、アマゾンのどこかに隠されているという財宝探しの旅に出かける。この日は丁度、ザ・ロックがこの貧しい村の酒場でショーンを捕まえるシーンが撮影されていた。

 『Helldorado』のアメリカでの公開は来年の9月、日本ではクリスマス以降の予定。
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