TEXT BY 江岸 ひとみ
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第60回ゴールデングローブ賞のノミネート作品発表!
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本格的に始動を始めたたオスカー予想。そのアカデミー賞を大きく左右すると言われているゴールデングローブ賞ノミネート発表が、12月19日ハリウッドのビバリー・ヒルトンでおこなわれた。
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1943年にスタートしたゴールデングローブ賞は、アカデミー賞とは違ってドラマ部門とミュージカル/コメディー部門に分かれている。また1956年にはTV部門もスタートするなど、長い歴史の中で賞のカテゴリーも変化し、関係者の間でもアカデミー賞と同様に注目されるものとなっている。
さて今回のドラマ部門のノミネート作品だが、巷で予想されていたラインアップと大きな違いはなく、ジャック・ニコルソン出演の『アバウト・シュミット』、スコセッシ監督の『ギャング・オブ・ニューヨーク』、ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープ出演の『ジ・アワーズ』、言わずと知れた『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』、そして最後にカンヌ映画祭でグランプリに輝いたロマン・ポランスキー監督の『戦場のピアニスト』であった。
そしてミュージカル/コメデイ部門では、日本でも大ヒットしたヒュー・グラント主演の『アバウト・ア・ボーイ』、ニコラス・ケイジ、メリル・ストリープ出演の『アダプテーション』、そして旋風を巻き起こしそうな『シカゴ』、低予算映画でありながら全国的大ヒットロングランとなった『My Big Fat Greek Wedding』、有名なイギリスの小説家チャールズ・ディケンズの小説を映画化した『Nicholas Nickleby』がラインアップに並ぶ。 |
J・ニコルソンが主演男優賞にノミネート。『アバウト・シュミット』アメリカ版ポスター |
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今回最も注目すべきなのが『シカゴ』の快挙。こちらでは2003年1月3日から上映される。まだ未公開ににもかかわらず、有力な作品賞候補となっているほか、主演女優賞にレニー・セルヴィガーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズがダブル・ノミネート。主演男優賞にリチャード・ギア、そしてさらに助演女優クイーン・ラティファ、助演男優ジョン・C・ライリーらがノミネートがされている。
監督賞のノミネートは、スティーブン・ダルドリー監督『ジ・アワーズ』、ピーター・ジャクソン監督『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』、スパイク・ジョーンズ監督『アダプテーション』、ロブ・マーシャル監督『シカゴ』、アレクサンダー・ペイン『アバウト・シュミット』、マーティン・スコセッシ監督『ギャング・オブ・ニューヨーク』その中でもっとも受賞が有力視されているのが『ギャング・オブ・ニューヨーク』のスコセッシ監督である。
意外だったことは監督賞ノミネートにスティーブン・スピルバーグが挙がらなかったことだろうか。彼は今年『マイノリティ・リポート」とディカプリオ主演の『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を監督しており、どちらも話題の作品であったので、ノミネートされてもおかしくなかったのだが。 |
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最も注目すべき作品『シカゴ』米版ポスター |
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主演男優賞は、『The Quiet American』で名演技を見せたマイケル・ケイン。今年はこの映画のほか『オースティン・パワーズ ゴールドメンバー』にも出演していた、なんて考えもつかない。また5年ぶりの映画出演作『ギャング・オブ・ニューヨーク』で鬼気迫る演技をみせたダニエル・ディ・ルイス、『アバウト・シュミット』で絶賛されているジャック・ニコルソンの3人が有力候補。またレオナルド・ディカプリオが『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』、エイドリアン・ブロディが『戦場のピアニスト』でそれぞれノミネートされている。
そのほか注目されているのは、大御所メリル・ストリープのダブルノミネート。彼女は『ジ・アワーズ』で主演女優賞に、『アダプテーション』では助演女優賞にノミネートされ話題となっている。
同じハリウッドの華やかな舞台であるゴールデングローブ賞とアカデミー賞だが、必ずしも内容は一致せず、あえて重ならないようになっているように感じられる。そういう訳でゴールデングローブを受賞してしまうと、オスカーはもらえないといった事も言われている。特に主演、助演賞に関しては、昨年の例をみてもラッセル・クロウ、シシー・スペイセクらがゴールデングローブ主演賞を受賞、アカデミー賞では、デンゼル・ワシントンとハリー・ベリーがオスカーを手にし、歴史的快挙といわれた。そんな違いのあるふたつのビッグイベント。ひと足先に発表される2003年1月19日のゴールデングローブ賞を手がかりに、あなたもアカデミー賞のオスカーの行方を予想してみてはどうだろうか? |
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