TEXT BY 伊藤秀隆(監督/プロデュース/脚本)

 この夏、最大の話題作T3プレミア報告!

 この夏、最大の話題作『Terminator 3: Rise of the Machines』が7月2日、ついにアメリカで公開された! そして、公開されるや否や稼ぎ出したのが$72,526,000!
 これは、先週から公開され全米1位だった『チャーリーズエンジェル フルスロットル』が稼いだ収入を、わずか5日間で抜いてしまったことになる。こうなると、前にもお話した大ヒットの枠である1億ドルは軽く超え、超ヒットとされる2億ドルもほぼ確実ということだろう。いやはや、『T2』から12年という長い期間、待ち続けた甲斐があったというものだ。実際、『T3』のプレミアには黒い皮ジャンに黒いサングラスをかけた集団が熱い歓声を上げていた。
T3プレミア02:どこもかしこもターミネーターファンクラブ? 熱い歓声を送っていた
 今回は6月30日にUCLA近くのMann's Village Theatre (961 Broxton Ave, Westwood)で行われた熱気漂う『T3』のプレミアのレポートをお届けしよう。
 僕もこれまで色々な映画のプレミアの取材に行って来たが、このプレミアは他とはかなり違った。なぜなら、飾ってあるポスターを見るまでもなく、これが『T3』のプレミアだということが一目瞭然なのである。なぜか? それは、『T3』のキャストを一目見ようと全米各地、いや世界中(?)から訪れているターミネーターファンが皆、サングラスに黒い皮ジャンという姿だからだ。男性ファンがやたらと多いのも特徴だろう。通常、スターが登場すると黄色い歓声があがるものだが、『T3』の場合、地響きするような男たちの歓声があたりにコダマする。
 時計の針が予定時刻の夕方6時をさした瞬間、爆音が数発聞こえ、あのターミネーターのテーマソングが響き渡る。そして、その音楽の中を最初に現れたのは、なんとターミネーター原型ともいえるT-1。降り注ぐフラッシュの嵐の中、3台のT-1が1台につき3人の操縦スタッフを従えて(?)、赤絨毯の上を移動する。
T1-9:巨大ロボットがファンの度肝を抜いた。このロボット、実は……映画を観てのお楽しみ
シュワルツェネッガー:『T2』から12年も経つというのに歳を感じさせないシュワちゃん クリスタナ・ローケン(Kristanna Loken):劇中では冷たい美女という感じだが、実際はかなりホットな美女!
 そして、皆がT-1に注目しているところに、ふいに登場したのが白いスーツに身を包んだアーノルド・シュワルツェネッガー。いきなりの主役の登場に、会場は沸きあがる。
 シュワちゃんの登場後は、『イン・ザ・ベッドルーム』(01)の素晴らしい演技で注目を集め、『T3』で見事ジョン・コナー役を射止めたニック・スタール。ターミネーターシリーズ最強の敵、女ターミネーター役を演じるスーパーモデル、クリスタナ・ローケンが登場し会場を沸かせた。その他、プレミアの招待客として、ダニー・デビート、ゲイリー・シニーズ、ジョン・ボイトなどが家族を伴って登場した。
 そして、今までターミネーターシリーズを手がけてきたジェームズ・キャメロン監督に代わって、『T3』を監督したジョナサン・モストウ監督が現れた。「このお仕事を引き受けるのにプレッシャーは感じませんでしたか?」というインタビュアーの質問に、監督は「それは感じるさ。でも、その前に『T3』の演出という素晴らしいチャンスを引き受けてしまっていたのさ。僕はこのシリーズの大ファンだったからね。そんな素敵なオファーを断るはずないじゃないか。二つ返事で引き受けてしまったよ」とコメントしている。
ジョナサン・モストウ監督:処女作『ブレーキ・ダウン』では第2のスピルバーグといわれていたが、キャメロン監督系でくるとは……さぞかし、プレッシャーが大きかっただろうに……
 確かに、『ブレーキ・ダウン』('97)と『U-571』(00)を観てわかるように、ハラハラドキドキさせるモストウ監督の演出は『T3』に打ってつけといえるだろう。
さあ、あなたはモストウ監督版ターミネーターをどう感じるでしょうか? この夏最高のスリルと興奮のエンタテインメントは、まもなく日本でも公開です!
<<戻る


東宝東和株式会社