TEXT BY 尾崎佳加

 お騒がせ!セレブが経営する、ゴシッピーなお店

 プライバシーを守りつつ外食を楽しむためなら、VIPルーム完備のマイレストランをつくってしまうスターたち。それでも、たくさんのスターや有名人がやってくるのを、駐車場で張っているパパラッチ。火のない所にナントカで、セレブなき所にもゴシップは立たぬ。今回はこんなお店で拾ったゴシップについてです!


■マット・デイモンとベン・アフレック経営のレストランの場合
 ビバリーヒルズの少し南にある、The Continental(コンティネンタル)は、ヒップスターが集うので有名なダイニングスポット。夜のオフィスビルに囲まれ唯一明かりを灯す、こぢんまりとしたこのレストランバーでは、オリジナルカリフォルニア料理から寿司までバラエティに富んだディナーが味わえる。レストランやショッピング街から少し離れた場所とあって、ロマンティックに落とされた照明が、夜に一層くつろいだ雰囲気を出している。居心地の良い静かさを求めて、記念日のカップルや家族のお祝いに、と一般客も多く利用するという…。さて、ではここのどこがゴシッピーかというと、ここの経営にまつわるお話なのだ。
The Continental(コンティネンタル)。
 オーナーはハリウッドの仲良し俳優コンビ、マット・デイモンとベン・アフレック。多くのメディアに「セレブの経営するレストラン」として取り上げられてきたコンティネンタル…の、はずなのだが、これに「待った」をかける声が!「彼らが経営しているなんて根も葉もないウワサ」、「いや、確かにあの二人がオーナーだ」、今ハリウッドで大論争が起こっているのだ。

 こういった人気レストランは、投資家が何人か集まって共同経営するケースが多い。コンティネンタルもその例にならい、数人の株主に混じってマットとベンの名前があるのだが、他の経営陣からは「彼らは投資してないよ。話題作りのために誰かがでっち上げたウワサじゃない?」なんて言われている。さらにはマットがレストランのオープニング・セレモニーに出席したかどうかも、「来ていた」、「来ていなかった」派の両方に分かれ、真相は定かでない。
 LAタイムズ、アクセス・ハリウッドをはじめ、多くのメディアは、コンティネンタルを「マットとベンが経営するレストラン」として紹介している。MSNのシティーガイドでは、「セレブリティーが経営するレストランのトップ10」に挙げているし、ファッション誌Instyleの記事でも2人がオーナーだと書いてある。ハリウッド情報提供ウェブサイト、シーイング・スターにはこう書かれている。
「彼らは最初はオーナーだった。自分たちも友達のスターを連れて、頻繁に食べに来ていた。しかし、レストランがあまりに有名になりすぎたため、こっそり遊びに来れなくなり、結果売りに出してしまった」

 レストランのオーナーになることは、ハリウッドスターの間で一種のステータスになっている。純粋なビジネスとして資金を投資しているスターもいるだろうが、いつもマスコミやファンに追い掛け回されているセレブが、プライベートを存分に楽しめる場所を自分の手で創り上げるためにレストランを買い取るということも多いのだ。
 マットがコンティネンタルの常連だったのは事実である。コンティネンタルの経営者は果たして誰か? 2人があまりにも有名なオーナーとして取り上げられたのが面白くなかった他のオーナーの作り話だったのか?
 ……と思いきや最近、コンティネンタルの従業員が「彼らは今もここのオーナーですよ。前ほどじゃないにしてもよく来てますし」とメディアに伝えたという。いったいぜんたい真実はどこに??当の2人の口から語られない限り、嘘か誠かわからずじまいである。

 ともあれ、この話題のレストランに集うセレブは豪華。ウィノナ・ライダー(マットと付き合っていた頃か?)をはじめ、ノーダウトのグウェン・ステファニーは彼女の30歳の誕生日パーティをここで過ごし、クリスマスパーティを開いたサンドラ・ブロックは、集まった友達の中、元恋人マシュー・マコノヒーと険悪なケンカを繰り広げたとか(こちらのウワサも信じていいのか??)。


■アシュトン・カッチャー経営のレストランの場合
 そして、もう一つのお騒がせなお店は、今ハリウッドで最もスタイリッシュなレストランバーの一つとして知られるDolce(ドルチェ)

 メルローズアベニューを少し西へ行くと、グレーのシンプルな外観が見えてくる。看板もないので、昼間はここがドルチェだと見過ごしがちだが、夜になるとライトアップされる壁にオリジナルロゴが現れる。何店もの人気レストランを生み出したコーディネーターによる内装は、お洒落の一言。窓一面に灯されたほのかなキャンドルの光とは対象的に、中央のカウンターバー奥から炎が燃え盛る演出にはついつい見入ってしまう。

 ここは、『ジャスト・マリッジ』でキュートな好青年役を演じたアシュトン・カッチャーが、全米人気テレビシリーズ「That '70s Show」の主演キャスト陣と共同経営しているイタリアンレストランだ。MTVの、セレブを容赦なく騙しまくるドッキリ番組、「Punk'd!」でのハチャメチャぶりもウケているアシュトンだが、それとも、デミ・ムーアの恋人だと説明したほうが皆さんはピンとくるかもしれない。
夜ライトアップされてはじめて浮かぶ、Dolce(ドルチェ)の看板。知る人ぞ知るセレブスポットなのか?
 『チャーリーズ・エンジェル/フルスロットル』のプレミアにデミがアシュトン、元夫のブルース・ウィリスや子どもたちと一緒に現れ、主役のエンジェル3人より目立ってしまったんじゃないかというほど衝撃的な事件は記憶に新しい。仕事もプライベートもお騒がせなアシュトン、さすがは注目株の俳優というべきか、やっぱりというべきか、経営するドルチェの方までウワサが絶えないお店だったのだ。

 実はここ、サービスがひどく悪いことでワースト1のレストラン。「ゴミか何かのように客を扱う」、「予約を入れたのに何時間も待たされた」、「数日前予約していた料理が当日になって品切れ。抗議したら『嫌なら帰れ』と言われた」などなど。レストラン、ショップの情報をユーザーの口コミとレート付きで提供する「Citysearch」に寄せられた悪評はまだまだある。一般客だけではおさまらず、Los Angeles Magazinesからも食事、サービスともに酷評されていた、悪名も非常に高いレストランなのだ。

 これが話題作りのためだったとしたら(そんなわけないだろうけど)、大成功している。良いも悪いもウワサになったおかげか、何週も先まで予約が取れない大人気のお店になったことは確かなのだから。
 ドルチェだけでなく、どういうわけかセレブご用達のレストランは一般客にあまり良いサービスをしないというのも良く言われること。一般の人の投稿で成り立つサイト、Citysearchにも、「肩書きのある人やお金持ち、ハンサムや美人ばかりにサービスがよく、そうでないお客はぞんざいな扱いをされる」、というカキコが多い。もちろん、全てのサービスがそうではないだろう。お客のマナーが悪かったり、お店のドレスコードに合っていない服装だったりという事情だってあったのだろう。

 こればっかりは自分で行って試してみるしかない!VIPのようなもてなしをされ、大好きなスターに出会い、忘れられないディナーになることだって充分期待はできるだろう。あ、行くんだったらついでに誰がコンティネンタルのオーナーか聞いてきてください!なんて…。
The Continental (コンティネンタル)
8400 Wilshire Blvd. Beverly Hills, CA (323) 782-9717> http://www.continentalbar.homestead.com

Dolce(ドルチェ)
8284 Melrose Ave. West Hollywood, CA (323) 852-7174> http://www.dolceenoteca.com

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