TEXT BY 尾崎佳加
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ハリウッドのスーパー親子たち
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カエルの子はカエルという表現があるが、何事も子は親に似るもので、ハリウッドでもスターの子はやっぱりスターになるケースが多い。今回はハリウッドのおさわがせスーパー親子特集です!
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■ザ・アメリカンビューティー ゴールディー&ケイトの場合 |
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まずは今、アメリカ中の男性を魅了しているヒロインスター、ケイト・ハドソン。大輪の花のようなやさしい笑顔が印象的な彼女だが、あのとびきりのスマイルはママである女優、ゴールディー・ホーンから受けついだものだったってご存知でした?
『10日間で男を上手にフル方法』(03)、『あなたにも書ける恋愛小説』(03) などでメグ・ライアンに次ぐロマンチック・コメディーの女王と呼ばれるようになったケイト。彼女の茶目っ気たっぷりの演技は、若き日からコメディー女優として大人気だったゴールディーのおてんばなイメージと瓜二つ。屈託のない笑顔とくるくる変わる表情がとびきりかわいい妖精のようなゴールディーの魅力をケイトは見事に受けついでいる。内面の明るさがにじみでるような2人の笑顔は、陽気なアメリカ人の象徴そのもの。また、ケイトは『あの頃ペニー・レインと』(00)でアカデミー助演女優賞ノミネート、ゴールディーは『サボテンの花』('69)で助演女優賞を授賞し、二人してオスカーの常連でもある。血は争えない。 |
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■一卵性親子? ドナルド&キーファーの場合 |
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血は争えないという意味ではこの親子に勝るものはない。演技も似ているが顔もそっくり、あらゆる面でシンクロ率の高いドナルド&キーファー・サザーランド親子だ。
ドナルドはメジャーからインディペンデントまで、数々の作品で個性の光る悪役をこなす名俳優。悪役以外でも『ミニミニ大作戦』(03)、『コールド マウンテン』(03)などで、スパイスの効いた個性のある演技が評価されている性格俳優だ。父の背中を見て育ったからか、生まれ持った素質があったのか、息子のキーファーは『スタンド・バイ・ミー』('86)の不良少年グループのリーダー役があまりにも印象的だ。以来、ワイルドボーイ役が板につき、『評決のとき』('96)、『フォーン・ブース』(02)の2作品にわたりMTVムービーアワード悪役賞にノミネートされている。よく見るとベビーフェイスともいえるキーファーの顔つきはそこまで悪人っぽいわけでもないのだが…。そこを見抜いて成功したのがFOXテレビのシリーズドラマ「24 - TWENTY FOUR -」だった。キーファーのもつワイルドさを悪の方向に向けず、正義に生きる男のエナジーに変えたのが大成功、昨年のゴールデングローブ賞では見事TV部門最優秀男優賞を授賞した。 |
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ドナルド&キーファーの悪役親子の共演が見れる作品に『評決のとき』('96)がある。父親ドナルドはちょっと難クセのある元弁護士役、息子キーファーは殺された犯人の弟で主人公の妨げをするグループのリーダー役。劇中では親子の接点はないが、それぞれの悪役がおりなす緊迫した演技が見ものである。『ウォール街』('87)のマーティン&チャーリー・シーンなど、親子での共演は珍しくないが、親子の悪役共演というのはなかなか画期的。 |
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■異色親子 ウッディ&スン・イーの場合 |
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ショービズ界にはスキャンダルやゴシップはつきもの。だが、これほどアメリカを賑わせたスキャンダラスな親子はかつていなかった。ウッディ・アレンとその娘、スン・イー・プレヴィンだ。
ウッディは、映画=ハリウッドという図式を完全無視し、ニューヨークを拠点に映画を製作する監督だ。彼の反ハリウッド精神が見て取れる作品『セレブリティ』(98)は、贅沢の限りをつくすハリウッドのスターたちのわがまま、ハチャメチャぶりを描き出したブラック・ユーモア満載のドラマ。人見知りが激しく気難しいことで有名な彼がつくりだす作品は、彼の頭の中をそのままのぞいたような風変わりな人々や言動であふれている。そんな彼が実生活で起こしたスキャンダルが、前妻ミア・ファローの養女、スン・イー・プレヴィンと恋に落ちてしまったこと。40もの歳の差を越え、前妻の目を盗み愛を育んだ2人は、その後まさかのゴールイン。血のつながりはないとはいえ、父と娘が結婚するなんて、ゴシップの絶えないハリウッドでもトップクラスの特ダネとなった。
もともと女優ではなかったスン・イーだが、夫婦になってからはウッディの作品に出演するようになった。異色親子の共演はウッディーが製作したドキュメンタリー映画『ワイルド・マン・ブルース』('97)でみることができる。 |
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セレブの人生はドラマよりも奇なり。フィクションの世界を演じながら生きるスターたちの実生活は、私たちが想像する以上に面白い人生なのかもしれない。
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