TEXT BY 尾崎佳加

 ブッシュ vs. ケリー - ハリウッドセレブが支持するのはどっち?

 いよいよ来週に投票を控えたアメリカ大統領選挙。国民の関心が最高潮に達する中、ハリウッドセレブも自分の支持する大統領候補の支援活動におさかんです。
 ファッション誌のセレブスナップを見ると、大統領選に関連したファッションで登場するスターが多い。ファッションリーダー的存在の女優スカーレット・ヨハンソンは、胸に「Kerry Edwards(ケリー大統領候補とエドワーズ副大統領候補)」と書かれたワッペンを貼りつけ、コメディー俳優ジャック・ブラックも「VOTE KERRY(ケリーに一票)」とプリントされたTシャツを着てカメラにポーズ。街では“Vote Bush Out in 2004(ブッシュを辞めさせろ)”と書かれたトレーナーや、どさくさにまぎれた“Paris for President(パリス・ヒルトンを大統領に)”Tシャツのような便乗グッズがバカ売れしている。
 世界の注目を集めるセレブの影響力は相当なもので、彼らも自分がどれだけの人々を動かす力を持っているかよく知っている。今回のアメリカ大統領選を機に、より良い国づくりに立ち上がったハリウッドセレブたち。その面々をみてみると、なぜか民主党を支持するセレブが圧倒的に多い。
 一般的に、民主党を支持する人々はイラク戦争反対の立場をとっている。したがってケリーを応援するハリウッドセレブたちは戦争反対派ということになる。「ケリーとエドワーズに票を投じることはアメリカを愛している証」というサラ・ジェシカ・パーカーや、「ケリー議員は思慮深く、思いやりのある一市民」というナタリー・ポートマンのような平和主義者が目立つ。オスカー俳優のティム・ロビンス&スーザン・サランドン夫妻は特に熱心な反戦派で、デモや署名運動にも参加するほどだ。
「石油利権、戦争反対!」ロス市民が起こした反ブッシュデモにて。
 かわってブッシュ政権応援サイド。シュワルツェネッガー知事などが、「テロと戦うためには戦争は止むを得なかった」として共和党を支持しているが、熱心に応援するセレブの姿はほぼ皆無。唯一、先代ブッシュ時代からWブッシュを応援してきた筋金入りの共和党支持者、ブルース・ウィリスが「わが国の軍事最高指揮官(ブッシュさん)は実によい仕事をしている」とほめちぎる。結婚騒動でなにかとお騒がせだったブリトニー・スピアーズも「大統領はテロから私たちを守ってくれる」とブッシュにラブコールを送り、後援会で歌ってもいいわ、とまで申し出たのだが「政治は遊びではない」とまるで相手にされず。華やかな顔ぶれが集うケリー陣営に比べ、こちらはあくまで堅実な選挙活動のイメージで貫くつもりらしい。
 ジョージ・クルーニー、レオナルド・ディカプリオ、ジェニファー・アニストン、ケビン・コスナー、マイケル・キートン…。これだけのビッグネームが民主党に傾いているにもかかわらず、調査ではブッシュを支持する人々がわずかに5%リードしている。労働者階級の味方を標榜している民主党だから、国民の圧倒的な支持を得て当然と思いがちだが、実は彼らの大半は政治に全く興味ナシ。投票率が低い上に民主党には複数の派閥があり、さらに票が割れることも手伝ってケリー候補は苦戦しそうだ。
 不動のブッシュ政権なるか、新参ケリー政権なるか。投票は11月2日に行われる。

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