TEXT BY 尾崎佳加
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授賞式シーズンです!! “ロード・トゥー・オスカー” その3
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第25回ラジー賞ノミニー発表 ルーザーを勝手に予想の巻!
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ワースト映画の権威、ゴールデンラズベリー賞財団が贈る最悪映画賞「ラジーアワード」!今年もとうとう授賞式が近づいてまいりました!! 映画ファン、ジャーナリスト、批評家など650人以上の投票で決められるラジー賞。一般人の投票で決めるという点ではピープルズ・チョイス賞の裏版みたいなもの。
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ピープルズ・チョイス賞で最高作品賞に輝いた『華氏911』は、他のメディアでさんざん悪評を買ったもののラジーの毒牙にかかることはなかった。ところが出演者の方は、多数がノミネートされる結果になった。映画の中で裏の顔を暴かれた米政界の官僚たちのリアリティー溢れる演技が絶賛され、5人のノミニーを生み出した。
国民の怒りを買ったジョージ・W・ブッシュ大統領(最悪男優賞)の受賞はほぼ確定として、ライス国務長官(当時の大統領補佐官)(助演女優賞)、ラムズフェルド国防長官(助演男優賞)も受賞の呼び声高し。
それでも国民の気がすまなければブッシュ&ライス(スクリーン・カップル賞)や、『(ガムをくちゃくちゃ噛みながら)ブッシュを信じるわ!』と言い放っただけの、わずか数秒のシーンで候補入りする快挙を成し遂げた歌姫ブリトニー・スピアーズ(助演女優賞)もとばっちり受賞となる可能性は大である。
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「ラジー財団の最低映画賞オフィシャルガイド」 キングコングのハンドサインに注目!
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ところで『華氏911』と互角に戦い、5部門で候補に挙がった『White Chicks(原)』。黒人FBIがおとり捜査で白人美人姉妹に扮するというストーリーのバカバカしさはある意味一線を越え、かえって笑える作品だと思ったのだが。
それよりも、大作ドラマなのに大胆にコケて6部門のノミニーとなった『アレキサンダー)』はなんとも後味が悪かった。予算を積んだ壮大な歴史モノならなんでも当たると思ったら大間違いである。オリバー・ストーン監督にはぜひ監督賞をお持ち帰りいただきたい。コリン・ファレル(最悪男優賞)も主役のオーラが足らず、世界史に名高いアレクサンダー大王の英雄伝説としては今ひとつの出来。脚本賞まで総ナメしそうな予感だ。
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そして最多のノミネートとなった作品は、下馬評どおり『キャットウーマン』の7部門(作品賞、監督賞、脚本賞他)。オスカー女優の看板もむなしくノミネート入りしたハル・ベリー(最悪女優賞)は、「Fridge 50 (最も寒い有名人)」(連載239)でも第2位に選ばれたばかりだ。「整形してまでハリウッドにしがみつく女優は最低」とエンタメ界の全てを敵に回すようなコメントがたたり、自らの女優生命を短くしてしまったのかもしれない。
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私見だが、ラジー賞の審査基準は俳優の演技や技術者の能力そのものを評価するというより、作品全体のイメージの影響が強い気がする。なので候補者のみなさん、さんざん書いたあとでなんだけどメゲないでね!
最低の殿堂入りを果たす作品はオスカーナイトの前日明らかに!!
次週、授賞式シーズンです!! “ロード・トゥー・オスカー” その4 第11回 SAG賞授賞式につづく…。
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