TEXT BY 尾崎佳加

 授賞式シーズンです!! “ロード・トゥー・オスカー” その5
 【トレハリ】嗚呼、レッドカーペット!! ベスト&ワーストなドレッサーたちの巻

 しばらくご無沙汰していたトレンドハリウッド。今週は授賞式シーズン真っ最中ということで、レッドカーペットでのセレブのファッションをチェック!
 ゴールデングローブの夜、セレブの集まる豪華絢爛の会場で競われたのは映画賞だけではない。報道陣も、ハイブランドのイブニングガウンに身を包んだ女優たちの艶姿をカメラにおさめようと必死だった。この日、最も注目を集めた女優の一人、ジェニファー・ガーナーは朱色が鮮やかな「ジバンシー」のドレスでレッドカーペットに登場。昨年オスカー、ゴールデングローブの2冠を持ち帰ったシャーリーズ・セロンは自慢のブロンドをブルーブラックにしてイメージチェンジし、報道陣を驚かせた。そして今年の主演女優賞を手にしたヒラリー・スワンクは「カルバン クライン」のイブニングで登場。足元でドレープが波打つたびにチョコレートゴールドのシルクが眩く光り、最高女優の自信に満ちた笑顔に輝きを与えていた。
 世界中の注目を浴びる授賞式のレッドカーペットでは、女優たちもここ一番の勝負ドレスで臨む。ところが、中には張り切りすぎてファッションセンスが麻痺してしまう人も。こんな女優たちのために『あなた、着こなし間違ってますよ』と正してあげるたいへん親切なドレッサー賞がある。Mr.ブラックウェルが愛情たっぷりの批評で贈る「Mr. ブラックウェルのワーストドレッサー賞」だ。
―Mr. Blackwell’s worst dressed 2004―
http://www.amiannoying.com/collection.aspx?collection=3825

1位 ニコレット・シェリダン
2位 リンゼイ・ローハン
3位 ジェシカ&アシュリー・シンプソン姉妹
4位 コートニー・ラブ
5位 パリス・ヒルトン
6位 セリーナ・ウィリアムズ
7位 ブリトニー・スピアーズ
8位 ポーラ・アブドゥル
9位 メリル・ストリープ
10位 アンナ・ニコル・スミス

 この賞は辛口評で有名な元デザイナーのMr.ブラックウェルが独断と偏見(のみ)で選ぶドレッサー賞。一応、オンラインで一般人の投票も募るのだが、こちらのランキングとは別に独自で発表するワースト賞の酷評が痛快で年々話題を集めている。
 2004年、Mr.ブラックウェルがワースト1位の称号を与えたのはニコレット・シェリダン。日本での知名度はまだ低いようだが、アメリカでは社会現象的ブームを呼んでいるドラマシリーズ「デスパレイト ハウスワイブス」の看板女優だ。ニコレットが着るのはなぜか、へそが見えそうなほど胸元が大きく開いたカット、ヒップが見えそうなほど高く入ったスリットという目のやり場に困る露出度最高のドレスばかり。善良な視聴者からもしばしば反感を買っており、堂々の1位に輝いた。2位以下は、意外にも今をときめくヤングセレブの名がずらり。リンゼイ・ローハン(2位)、シンプソン姉妹(3位)、パリス・ヒルトン(5位)なんて、彼女たちなくしてはファッション誌が成り立たないというほどのトレンドセッターだというのに。受賞の理由はおそらく、クラブにパーティーにあけくれる素行を暴くゴシップ記事がファッション記事の倍ほどスクープされているところにあると思われる。一方、ブラックウェル氏お気に入りのセレブは以下の通り。
―Mr. Blackwell’s best dressed 2004―
http://www.amiannoying.com/collection.aspx?collection=3824

1位 ニコール・キッドマン
2位 ナタリー・ポートマン
3位 バーバラ・ウォルターズ
4位 ケイト・ウィンスレット
5位 アネット・ベニング
6位 オプラ・ウィンフリー
7位 スカーレット・ヨハンソン
8位 グエン・ステファニ
9位 ジェニファー・ガーナー
10位 テリ・ハッチャー
 1位はプライベートでもハイセンスで生活の匂いを全く感じさせない元祖セレブリティー、ニコール・キッドマン。「イブサンローラン」やモデルをつとめる「シャネル」などニコールが来て似合わないドレスは皆無というほどその着こなしはお見事。先日のゴールデングローブでも「グッチ」の濃緑のドレスがため息のでるほどお美しく、文句なしの受賞となった。そして2位には、ニコールと同じく知的美人なイメージのナタリー・ポートマンがランクイン(実際、ハーバード大出身)。ゴールデングローブでは彼女の清楚なイメージとよく合う「クロエ」の白いガウンでドレスアップしていた。

 …、と、ここまで順調に審査が進められたベストドレッサーだが、3位のバーバラ・ウォルターズ(ニュースキャスター)はいかがなものか。いくら着こなしが素晴らしくても74歳のおばあさまがファッションリーダーとはMr.ブラックウェルも冗談が過ぎる。これならワースト7位のブリトニーのほうがまだファッション界に貢献しているだろう。
こんなメガネを見つけてしまうブリトニーにベストの称号を!
 ようするに、Mr.ブラックウェルは『不良がお嫌い』ということ。いくらきれいに着飾ってもプライベートの素行がよろしくないとMr.ブラックウェルは見ざる聞かざるを決め込む。反対に、清楚で女性らしさを忘れない人はどんなに歳を重ねても美のお手本となる得るのだ。(これはある意味とても正しいのだが…。)

 ステレオタイプまっしぐらの謎の紳士Mr.ブラックウェル。これからも偏った批評を貫きハリウッドのファッション界をリードしていただきたい。

次週、授賞式シーズンです!! “ロード・トゥー・オスカー” その6
特集おさらい編 「オスカーナイトを倍楽しむための5か条」につづく…。
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