TEXT BY 尾崎佳加

 第78回アカデミー賞ノミネート発表!& from ハリウッドのウィナーを勝手に予想2006!

授賞式シーズンも中盤を迎えた1月末、本年度アカデミー賞のノミネートが発表された。
現在までに発表された映画賞では、「キング・コング」や「ナルニア国物語」など、大作を押しのけてドラマ作品が健闘を見せており、28日に発表された第58回米監督組合(DGA)賞では、ゴールデン・グローブ賞でも最多部門で受賞した「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督が選ばれた。
また、29日に発表された第12回SAG賞授賞式では、最優秀男優賞に「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマン、最優秀女優賞に「ウォーク・ザ・ライン」のリース・ウィザースプーンが、それぞれ栄冠を獲得した。ゴールデン・グローブ賞では、ドラマ部門とミュージカル&コメディー部門の別カテゴリーで選定が行われていたこともあり、アカデミー賞の行方を占うにはまだまだ候補者が多かったが、SAG賞の発表により的は絞られたことになる。

そして、本日発表された第78回アカデミー賞、主要部門ノミネートは以下のとおり。(★はfrom ハリウッドが勝手に予想するウィナーたち)
31日、ノミネート発表を行うアカデミー代表のシド・ギャニスとオスカー女優ミラ・ソルヴィーノ。
(C)Academy of Motion Picture Arts and Sciences
最優秀男優賞
★フィリップ・シーモア・ホフマン(「カポーティ」)
テレンス・ハワード(「ハッスル&フロウ」)
ヒース・ロジャー(「ブロークバック・マウンテン」)
ホアキン・フェニックス(「ウォーク・ザ・ライン」)
デイヴィッド・ストラザーン(「グッドナイト・アンド・グッドラック」)

最優秀女優賞
ジュディ・デンチ(「ミセス・ヘンダーソン・プレゼンツ」)
フェリシティ・ハフマン(「トランスアメリカ」)
キーラ・ナイトレイ(「プライドと偏見」)
シャーリーズ・セロン(「スタンドアップ」)
★リース・ウィザースプーン(「ウォーク・ザ・ライン」)

監督賞
★アン・リー(「ブロークバック・マウンテン」)
ベネット・ミラー(「カポーティ」)
ポール・ハギス(「クラッシュ」)
ジョージ・クルーニー(「グッドナイト・アンド・グッドラック」)
スティーヴン・スピルバーグ(「ミュンヘン」)

作品賞
「ブロークバック・マウンテン」
「カポーティ」
★「クラッシュ」
「グッドナイト・アンド・グッドラック」
「ミュンヘン」
from ハリウッド的には、最優秀男優賞は実在のカリスマ歌手、ジョニー・キャッシュを演じるにあたり、自他共に認める音楽オンチのホアキン・フェニックスが費やした歌のレッスン時間に一票を投じたいところだが、実際には性格俳優として着実にキャリアを積んできたフィリップ・シーモア・ホフマンの努力が認められる年になると予想する。
また、最優秀女優賞はやはり、有力候補のフェリシティ・ハフマンとリース・ウィザースプーンの一騎打ちとなるだろうが、キャンディー女優ウィザースプーンの知られざる歌唱力と深みのある演技が引き出された本作品で初のオスカーを持ち帰ることを祈る気持ちで星をつけた。
監督賞、作品賞とも候補作品には「ブロークバック・マウンテン」、「クラッシュ」、「ミュンヘン」など各界で物議を醸した作品が揃っているが、監督賞は劇場上映中止になるほどの問題作であるにも関わらず多くの映画賞がそのチャレンジと作品性を称えたことにならい、「ブロークバック・マウンテン」のアン・リーに授与されると予想する。
そういうわけで、作品賞も8割がたで「ブロークバック・マウンテン」が持ち帰りそうな予感だが、オプラ・ウィンフリーが自身のトークショーで特番を設けてまで「絶対に見なさい!!」と絶賛した「クラッシュ」が逆転勝ちする可能性も低くないなぁと、半ば賭けに出るような気持ちで星をつけた。

今年もかなり予想屋気分で占ってみた第78回アカデミー賞。授賞式は3月5日、ハリウッドのコダックシアターにて開催される。
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