TEXT BY 尾崎佳加
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アカデミー賞授賞式目前! ノミネート作品おさらい&まじめ予想
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トリノの興奮冷めやらぬ中、映画賞授賞式シーズンもいよいよ佳境に突入。とりを飾るアカデミー賞授賞式の発表は3月5日!今回はシーズン特集のおさらいを兼ねて、受賞作品のまじめ予想をしたいと思います。(いえ、これまでもまじめに予想してましたよ、ええ。)
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アカデミー賞では各部門に5つの候補を上げているが、実際には賞に届く争いは2~3つに絞られる。主演男優部門では大方、下積み経験の長いフィリップ・シーモア・ホフマン(「カポーティ」)、ホアキン・フェニックス(「ウォーク・ザ・ライン」)の一騎打ちになるだろうというのが各メディアの見方で、軍配はおそらくホフマンに上がると予想。だが、このベテラン争いに食いついている若き候補ヒース・レジャー(「ブロークバック・マウンテン」)の健闘も忘れてはならない。出演作ごとに別人?と疑うほど全く異なるキャラクターを演じるレジャーの七変化には、俳優の本質のなんたるかをおしえられる。ただ、27歳で史上最年少受賞するには若さと経験不足が逆運となり、今年は先輩俳優に譲る結果に終わるだろう。 |
最優秀男優賞候補のフィリップ・シーモア・ホフマン(右)とアカデミー代表のシド・ギャニス(左)。2月13日に行われたアカデミー賞ノミネート発表パーティーで。(C)Academy of Motion Picture Arts and Sciences |
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といいつつも、助演男優枠ではジョージ・クルーニー(「シリアナ」)を差し置き、ジェイク・ギレンホール(「ブロークバック・マウンテン」)に賞杯が贈られるという矛盾した私の予想。25歳のギレンホールを新鋭の俳優と見る人は多いが、実際は11歳でキャリアをスタートし、独立系映画やストーリー性を重視した作品で演技を磨いてきた若手一の実力派俳優。アカデミーが今後の期待を込めて授与する可能性は低くない。 |
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変わって主演女優部門は、コメディのフェリシティ・ハフマン(「トランスアメリカ」)とミュージカルのリース・ウィザースプーン(「ウォーク・ザ・ライン」)の首位争いとされているが、今年はこれまでにない演技の幅を披露して一皮も二皮も剥けたウィザースプーンの女優魂が称えられるだろう。助演女優賞はレイチェル・ワイズ(「ナイロビの蜂」)が受賞するとみてほぼ間違いないが、ミッシェル・ウィリアムズ(「ブロークバック・マウンテン」)の演技評価は一言では言い表せないものがある。家庭を大事にする優しい夫に、友人関係以上の親密な男の影があることを知りながら結婚生活を続ける。水面下で沸き起こる複雑な感情を地味ではあるが存在感たっぷりに演じきった努力は報われるべきだと思う。今後も覚えておきたい女優だ。 |
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ジェイク・ギレンホール(左)とミッシェル・ウィリアムズ(右)。2月13日に行われたアカデミー賞ノミネート発表パーティーで。(C)Academy of Motion Picture Arts and Sciences |
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監督賞はアン・リーの受賞で決まり。台湾出身の外国人監督が異文化である米国のカントリーサイドを舞台にした作品でこれだけの評価を得ているというところも注目すべきだ。評価の高い原作を映像化する際の期待度に応えるプレッシャーは相当なものだったはず。テーマの難しさや芸術作品としてのこだわりなど全ての努力が評価されれば、作品賞も授与されるのが当然だろう。
以上、大まじめに最終予想をした今号だったが、果たしてアカデミーの女神がキスをするのはどの候補者か!? |
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