TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)

 笑いが止まらないホラー映画
 7月7日公開されたワイアンズブラザーズの「Scary Movie」が初日3日間の売上が$42.5ミリオンとなり、MI-2に続いて今年第2位にランク。TVのトークショーで人気のキーネン アイボリー ワイアンズが監督、コメディドラマ「Wayans Bros」がヒットしたマーロンとショーン ワイアンズが脚本、そしてもちろん3人とも出演している。この時期のヒット作品「パーフェクトストーム」と「Patriot」は$40ミリオンの予算映画だが、$19ミリオンの低予算コメディ映画「Scary Movie」にあっという間に追い抜かれた形だ。今のところ「Scary Movie」が今年一番稼いだ映画となり、映画を観た方も作った方も笑いが止まらない映画となった。映画の内容は「スクリーム」「I know what you did last summer」「ブレアウィッチプロジェクト」といったあらゆるホラー映画を題材にしたパロディ。キーネンにしごかれて徹底的に何度も書き直したという脚本らしく1分1秒が笑える映画。兄弟のチームワークは偉大だ。「アメリカンパイ」のシャノン エリザベス、ロッドマンとの結婚が話題だったカルメン エレクトラも好演。

 シスコついに映画デビュー

 ヒップホップ界のスーパースター、シスコが「Getting Over Alison」でスクリーンデビューする。R&BグループDru Hillのメンバーでありながら今年春リリースしたソロアルバム「Unleash the Dragon」は5ミリオンセラーを記録、シングルカットされた「Thong Song」も大ヒット、MTVショー「Sisqo's Shakedown」でも地位を確立したシルバーヘアのヒップホップスターに目をつけTommy O'haver映画監督が、ロマンティックハイスクールコメディに彼を起用。歌って踊って演技も出来るマルチタレント、シスコは映画撮影のためIN Syncとのツアーから抜けた。

 アメリカで一番のモテモテ男
 メグ ライアンとデニス クウェイドが9年間の結婚生活に終止符を打った。そしてその影にはラッセル クロウの存在が。「グラディエーター」のヒットで話題のクロウとライアンは最近「Proof of Life」で共演。NYからロンドンへ向かうコンコルドでずっといちゃついていた二人が目撃されたり、デビットボウイのシークレットライブを仲良く観に行ったりかなり親密だといわれていた。がそんな噂も束の間でクロウに新たな女性の存在が。BBCのリサーチャー女性がクロウに誘われて彼が宿泊中のホテルのバーで飲んだとタブロイド誌に語っている。彼の手がずっとべたべたさわってくるんで他の男だったらひっぱたいてるところだったわと過激な発言も。NYデイリーNEWSによるとラッセル クロウはトム クルーズと結婚する前の二コール キッドマンとデートしていたり、ジョディ フォスターとともにパーティに現れたりしているという。クロウはアメリカで今一番モテる男のようだ。

 スパイクに差別主義と批判の声が
 最近静かだったスパイク リーが久々にマスコミに登場。「7月4日独立記念日の週末にワイフと『The Patriot』を観に行ったが、二人とも怒って劇場を出てきたんだ。というのは奴隷の存在がまったく描かれていない。あの時代の設定でメル ギブソンのキャラクターが奴隷を持っていないのは不自然。映画を観ている間中ずっと奴隷はどこにいるのか、綿摘みの労働は誰がやってるのか、ネイティブアメリカンはどこにいるのか気になって仕方なかった。脚本家はアメリカの歴史を勉強しなかったのだろうか。」と皮肉っている。これに対してNYポストのコラムでは「The Patriot」はドキュメンタリーではなく小説の映画化であると弁護し、逆にスパイクの去年の作品「Summer of Sam」がイタリア系アメリカンを差別的に描写していると指摘。実際にあった殺人事件を元にした映画だけに、被害者の遺族から非難の声があがっているとしている。人種差別問題がとやかくいわれがちなアメリカの映画界、特にアフリカンアメリカンの白人社会に対しての非難の声が目立つようだが、今回は意外な展開に。そのうちアジア系に対する人種差別批判が出て来るか。


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