TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)

 「この夏ハンプトンに行った?」ということがニューヨーカー達の間でよく話題に上る。マンハッタンから東へ100マイルの郊外にあるハンプトンは、美しい自然とビーチに囲まれて上流階級やセレブリティの別荘が点在する、ニューヨーカー憧れの高級リゾート地だ。

 サマーバケーションにはマンハッタンの喧騒を逃れるために、ビューティフルピープルを筆頭にワナビーズまでこの土地を訪れる。最近ではヒラリーの政略のためにクリントン大統領一家も夏休みを過ごしているし、イーストハンプトンにはスティーブン・スピルバーグ監督、マーサ・スチュアート、ビリー・ジョエル、スティーブン・セガールといった他に数多くの著名人の家がある。

 またパフダディ主催の、白のドレスアップでブラック系のセレブリティが大勢参加する「ホワイトパーティ」もここで行われ、今回ジェニファー・ロペスが来てなかったことが話題になったりと、ハンプトン発信のゴシップも多い。

 そんなハンプトンのセレブご用達のレストランを2店紹介しよう。


スティーブンセガールの家


マーサスチュアートのハウス

 ちょっと洒落たダイナー料理が食べられるレストラン。淡白な味付けをサルサでアクセントしてあって、どれをとってもしつこくなくてさっぱりと軽め。オムレツ料理には常連のアレック・ボールドウィンの名前がついている。

★Estia's Little Kitchen
on Bridgehampton/Sag Turnpike Sag Harbor,NY
631-725-1045


 ピクニックテーブルに赤いチェックのクロスがいかにもリゾートっぽくて楽しくなってしまう。店名のとおり、ロールの上にロブスターサラダを載せたディッシュや、シーフードがお薦め。マライア・キャリー、キャサリン・ターナー、マリサ・トメイが来店。

★Lobster Roll
1980Montauk highway Amagansett, NY11930
631-267-3740


 ハンプトンについての話題をもうひとつ。秋も深まり静かになっていたオフシーズンのハンプトンに映画関係者がぞくぞく集まってきた。9年前にスタートしたハンプトン・インターナショナル・フィルム・フェスティバルが10月11日から15日まで開催されたためだ。今回は70を越える作品が上映され、ゴールデン・スターフィッシュ賞や優秀学生賞、観客賞といった各賞が設定されているかなり大規模な映画祭だ。監督、脚本家、俳優といった関係者によるパネルディスカッションも行われ、過去にはマーティン・スコセッシ監督、スティーブン・スピルバーグ監督、クインシー・ジョーンズ、イザベラ・ロッセリーニ、リチャード・ドレイファスらが参加。今年はジョン・マルコビッチ、ウィリアム・ハート、シャーリー・マクレーンらがフィーチャーされている。

映画祭会場ギルドホール

映画祭パンフレット

リーブ・シュライバー
(サングラス)

 15日上映のクロージングフィルムは、ニューイングランドを舞台に二人の男の日常を描いた『SPRING FORWARD』。トム・ギルロイ監督はこの作品がデビュー作。上映終了後、イーストハンプトンのメインストリートにある映画館の前で主演のネッド・ビーティ、リーブ・シュライバー、ペリィ・ギルピンらが談笑する姿を発見。レッドカーペットもなくカジュアルな雰囲気はハンプトン映画祭ならではだろう。

 そして3時間かけてマンハッタンへ帰る途中、ファーマーズマーケットで巨大なカボチャを買うセレブがきっといたに違いない。ハローウィン間近のニューヨークからのレポートでした。



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