TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)

 2000年も残すところあと僅かとなり、今年のトップ10が様々な分野で発表されている。来年のアカデミー賞の行く末を示唆する「ピープル」「エンタテイメント」「NYタイムス」「TIME」各誌が選んだ今年のベスト映画は…? そして今年話題になった人々は…?

 ▲ピープル
1位『あの頃ペニー・レインと』(監督キャメロン・クロウ)
2位『チキンラン』(監督ニック・パーク&ピーター・ロード)
3位『グリーン・ディスティニー』(監督アン・リー)
4位『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(監督ラース・フォン・トリアー)
5位『エリン・ブロコビッチ』(監督スティーブン・ソダーバーグ)

70年代ロックシーンを題材にした青春もの『あの頃ペニー・レインと』が1位に。メル・ギブソンが声優として活躍した、ニック・パーク監督の初の長編クレイメーションが2位に。同監督は現在、2004年公開予定の長編版『ウォレスとグルミット』シリーズ続編を制作中。


 ▲エンタテイメント
1位『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(監督ラース・フォン・トリアー)
2位『THE HOUSE OF MIRTH』(監督テレンス・デイビス)
3位『グリーン・ディスティニー』(監督アン・リー)
4位『ヤンヤン 夏の想い出』(監督エドワード・ヤン)
5位『グラディエーター』(監督リドリー・スコット)

 1位に選ばれたのは、カンヌ受賞作そしてNYフィルムフェスティバルで話題になった『ダンサー・イン・ザ・ダーク』。文芸作品の映画化でこちらもNYフィルムフェスティバルで上映された『The House of Mirth』が2位。エンタテイメント誌BEST of 2000の表紙を飾ったラッセル・クロウ主演の『グラディエーター』が5位となっている。


 ▲TIME
1位『グリーン・ディスティニー』(監督アン・リー)
2位『YOU CAN COUNT ON ME』(監督ケネス・ロネガン)
3位『ジョージ・ワシントン』(監督デビッド・ゴードン・グリーン)
4位『SUNSHINE』(監督イシュトヴァン・サボー)
5位『チキンラン』(監督ニック・パーク&ピーター・ロード)

 全米で最も権威あるウィークリーマガジンの一つであるTIME誌が1位に選んだのは、先週も話題にした『グリーン・ディスティニー』。2位の『YOU CAN COUNT ON ME』は主演のマーク・ルアーロがモントリオール世界映画祭男優賞をゲットした作品。


 ▲NYタイムス
1位『ヤンヤン 夏の想い出』(監督エドワード・ヤン)
2位『TRAFFIC』(監督スティーブン・ソダーバーグ)
3位『チキンラン』(監督ニック・パーク&ピーター・ロード)
4位『BEFORE NIGHT FALLS』(監督ジュリアン・シュナーベル)
5位『ビューティフル・ピープル』(監督ジャスミン・ディズダー)

 イッセイ尾形が出演しているチャイニーズファミーリードラマ『ヤンヤン 夏の想い出』が1位に。NYフィルム批評家協会がベストに選び、今期アカデミー賞候補ともいわれる『TRAFFIC』が2位になった。『エリン・ブロコビッチ』もヒットさせたスティーブン・ソダーバーグは今年一番注目された監督といわれている。


 ゴシップ面では、エンタテイメント誌のエンターテイナー・オブ・ザ・イヤーにラッセル・クロウが選ばれた。
『グラディエーター』『インサイダー』『プルーフ・オブ・ライフ』と数々のヒット作に出演。おまけに『プルーフ・オブ・ライフ』で共演したメグ・ライアンと噂になったり、クロウにとって話題に事欠かない一年だったようだ。2位はTV番組「サバイバー」、3位はMTVビデオアワードでも話題、立て続けにヒットを飛ばし、ゴシップも数知れぬ白人ラッパー、エミネム。また注目したいところでは、『グリーン・ディスティニー』のアン・リー監督が10位に登場している。片やピープル誌では、2000年に最も興味深かった人として、次期大統領ジョージ・W・ブッシュを上げた。これに続くのはパーキンソン氏病と戦うマイケル・J・フォックス、TVドラマ「SEX AND THE CITY」が超ヒットにサラ・ジェシカ・パーカー、ウィンブルドンとUSオープンで大活躍したヴィナス・ウィリアムス。そして離婚の噂やクロウとのロマンスがイメージを変えたといわれるメグ・ライアンが5人目の話題の人となっている。

以上が大体の2000年総決算というわけだけど、それぞれ個人的に印象に残った映画は違うはず。今年のベスト映画を決めるのはあなた自身なのです。



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