TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)

 好きな俳優や女優あるいは映画監督の作品だったり、また話題のヒット作品だったりという理由で多くの人々は映画館に足を運びます。映画をピックアップするのに、他にはどんな理由がありますか? 犬大好き人間にとって犬が登場するというだけで、その映画を観たくなってしまうもの。最近、犬が脇役キャラで登場し、スパイス役を果たしている作品がなぜか多いのです。ニューヨークのドッグラバーの間で人気の作品、そして犬キャラは?

Best in Show』(原題)
監督:クリストファー・ゲスト 出演:クリストファー・ゲスト

ドッグショーを舞台に繰り広げられる人間と犬模様。一癖二癖あるオーナー達が、賞をゲットしようと必死になる様子を描いたコメディ。毛もじゃのテリア、ゴージャスなプードル、ワイルドなブラッドハウンドetcと出てくる犬達は主人公の人間達と同じく個性的。シーズーのオーナー、ニューヨークのゲイカップルがいかにもってかんじ。クリストファー・ゲストは監督、脚本、出演と3役をこなす。今年のゴールデングローブ賞、コメディ/ミュージカル部門の作品賞にノミネートされているこの作品、結果は如何に。


Double Take』(原題)
監督:ジョージ・ガロ 出演:オーランド・ジョーンズ、エディ・グリフィン

ニューヨークのエリート投資銀行家が巻き込まれる、メキシカンドラッグディーラーとCIA、FBIのトラブルを描いたアクションコメディ。主演はTVコメディドラマ「Malcom&Eddie」でおなじみの売れっ子コメディアン、エディ・グリフィン。グリフィン演じる、ハスラー風FBI捜査官フレディのバディが白のポメラニアン系の犬。このキュートな犬がストーリーの中で大役を演じる。小さい犬の存在で、アクションが尚更ハラハラするのです。


スナッチ
監督:ガイ・リッチー 出演:ブラッド・ピット

マドンナの夫ということのほうが有名なような気がするガイ・リッチーの新作。ブラピの新作ということでも注目されているが、犬好きは白黒のピットブルが気になる。この犬キャラの名はドッグ。ブラピ演じるアイリッシュジプシー、ミッキー・オニールが連れている暴れん坊犬は、ミッチとシュガーの兄妹によるダブルキャスト。ロンドンのギャングスターシーンをコミカルに描いたこの映画の中で、なくてはならない名脇役となっている。


Little Nicky』(原題)
監督:スティーブン・ブリル 出演:アダム・サンドラー、ハーヴェイ・カイテル

地獄を支配する魔王の息子たちがニューヨークへやって来た。地獄にパワーを取り戻すため、魔王の末っ子ニッキーが兄たちを連れ戻す役目を命じられて人間界へ。何も知らないお坊ちゃまのニッキーが繰り広げる大騒動。ニッキーのお目付け役は喋るブルドッグ、ビーフィ。ハーヴェィ・カイテル演じる地獄の魔王より、ビーフィはこの映画の中で一番味のあるキャラだ。コメディに喋る犬は必至。Little Nickyのフィギュアもあるくらいマニアの間では人気となったコメディ。フィギュアより本物のビーフィが欲しい。


 この他、ゴールデングローブのコメディ/ミュージカル部門ノミネート作『Chocolat』(原題/監督:ラッセ・ハルストレム)のテリア犬や青春コメディ『Dude, Where's My Car?』(原題/ 監督:ダニー・レイナー)に登場するチワワもいい味を出している。最近のコメディ映画に犬キャラはなくてはならない存在らしい。


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