TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)
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ブロードウェイといえばミュージカルとプレイの本場。でも人気のスポットはそればかりではない。アメリカで随一といわれる老舗のコメディクラブがあるのもブロードウェイ49丁目、いわゆるタイムズスクエア・ディストリクトだ。地元ニューヨーカーはもちろんアメリカ各地から、人々は笑いを求めてコメディクラブキャロラインズ・オン・ブロードウェイに集い、コメディ映画やTVのシットコムに出演しているコメディアン達が続々と登場するステージを囲んで爆笑する。 |
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アカデミー賞司会を今年降板したビリー・クリスタル、トゥナイト・ショーの司会ジェイ・レノらがかつて活躍の場としたキャロラインズ・コメディ・クラブが、チェルシーにオープンしたのは81年。オーナーのキャロライン・ハーシュによって小さなキャバレーとしてスタートしたのが始まりだった。その後98年にサウス・ストリート・シーポートに移り、現在のタイムズスクエアにあるロケーションにオープンしたのが92年。ステージを囲む600席のテーブルと一流シェフによるディナーで、洗練されたエンタテイメント・プレイスとして従来のコメディクラブのイメージを革新させた。エレガントでカラフルなインテリアは95年にアメリカ建築協会アワードを受賞、インテリア・マガジンの表紙になるなどハコとしての話題にも事欠かない。またA&Eケーブルネットワークのロングラン番組となった「Caroline's Comedy Hour」が毎週ここを拠点に放送され、94年度ケーブル・エイス・アワードのベスト・スタンドアップ・コメディ・シリーズ賞を獲得した。現在このシリーズの放映は終了したが、'96年よりウェブサイトによるコメディ・イベントを展開。インターネットでも下記のULRからネットでNY最新の笑いにアクセス出来る。創立者のキャロラインはコミック・インスティチュートのオーナーでもあり、またフェミニスト運動家として活躍するパワフルな女性。一時は同じロケーションにコメディのテーマレストランを計画していたらしいが、残念ながらその話は企画倒れになったようだ。もしオープンしていたら、タイムズスクエアのランドマークとなったに違いない。
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現在でも「サタデーナイト・ライブ」やHBOの「Def Comedy Jam」に出演するトップクラス・コメディアンのパフォーマンスを観ることが出来るキャロラインズ。ここに登場し、その後スターになったコメディアン達は枚挙にいとまがない。クリス・ロック、アダム・サンドラー、デモン・ワイアンズを筆頭としたワイアンズ・ブラザーズ、ピーウィー・ハーマン、マーガレット・チョウ、ロージー・オドネルそしてジェリー・サインフェルドらといった、現在映画やTVで活躍中のコメディアンがつい先日までここでナマのステージに立っていたのだと思うとコメディ好きはそれだけでわくわくしてしまう。日本人には英語の壁は厚いけど、その場の雰囲気は絶対に楽しめるはず。観客として遊びに来ているセレブに会えるチャンスもある。 |
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