TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)

 2001年ホリデーシーズン特集、クリスマスツリー・ライトアップ
 2001年も最後の月となりました。今年はテロ事件で大打撃をうけたNY。それでもいつもの年と変わらず、様々なクリスマスホリデー・イベントが開催されています。喪に服して街全体が自粛するということより、やっぱり明るく華やかなニューヨークでいることが、この街の人々にとって何よりも大切なのです。
 このシーズン最大の人気イベントは、なんといってもロックフェラーセンターのクリスマスツリー点灯式。今年は11月29日(水)、第69回目のセレモニーが行われた。主役となるツリーは毎年ヘリコプターを使って探し出される。今年は81フィートのニュージャージー産が選ばれた。

 当日、5番街の48丁目から51丁目辺りは、セレモニーを観るために各地から人々が集まり10万人の人出となり、6時すぎには身動きが取れないほどに。

 今年はいつもより暖かかったため、7時からのショーが始まるまでの待ち時間はさほど苦にならず、クリスマスソング・メドレーをみんなで歌いながら過ごす楽しいものとなった。
ライトアップ前
 この場所に初めてクリスマス・ツリーが飾られたのは1931年。当時ロックフェラーセンターはまだ工事中で、現場を明るくするために労働者たちの手によって飾られたという。ツリーの設置は1933年に正式なものとなり、1936年にロックフェラープラザの屋外スケートリンクが出来て以来ニューヨークの伝統的行事となった。初めて点灯式のセレモニーがTV中継されたのは1964年。今年はNBCが全国放送を行っている。

 第69回目のセレモニーのオープニングを飾ったのは実力派アイドル、ジェシカ・シンプソン。その他登場したセレブはジュエル、ヴァネッサ・ウィリアムス、トニー・ベネット、去年に続いてディスティニーズ・チャイルド、マーク・アンソニーらが登場。ディスティニーズは白いふわふわの衣装でアカペラを披露し、クリスマス気分を盛り上げた。
 歌のパフォーマンスの他に、センター前のアイス・スケートリンクではオリンピック代表のイナ&ジンマーマンらが華麗なペア・スケーティングを披露。恒例のラジオ・シティ・ロケッツのクリスマス・ラインダンスもお決まりの出し物となっている。

 8時56分にいよいよ待ちに待ったメイン・イベント、クリスマスツリーのライトアップ。10秒前から集まった人々いっせいのカウントダウンが始まり、ファースト・レディ、ローラ・ブッシュとジュリアーニ市長の平和の願いによって3万個の赤、青、白のライトが点灯。

 たかがツリーのライトアップなのに、この瞬間の美しさは涙が出るくらい感動的。クリスマスはクリスチャンの祝日だけど、平和の願いは宗教を超えるのだろうか。
華やかにライトアップ


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