TEXT BY 中条佳子(N.Y.在住)

 ホリデー・シーズン情報、ジョーイ・マッキンタイア出演のオフ・ブロードウェイ作品
 2001年も終わりに近づきホリデーシーズンで活気を取り戻しつつあるNY。一時はテロの影響でかなりの打撃を受け落ち込んだブロードウェイ・ショービズ界も立ち直りを見せています。今回はシーズンヒット作、元ニューキッズ・オン・ザ・ブロックのジョーイ・マッキンタイア主演のオフ・ブロードウェイ・ショー「Tick, Tick…BOOM!」を紹介しましょう。
 ブロードウェイの大ヒット作「レント」の作家ジョナサン・ラーソンによる「Tick, Tick…BOOM!」は、彼自身を主人公にした物語。売れないミュージカル作曲家ジョナサン、ガールフレンドのスーザン、ルームメイトでエリート会社員のマイケルという3人のキャラクターが主な登場人物だ。

 ジョナサンが30才の誕生日を迎えるの直前の不安や悩みを、コミカルに描くポップ・ミュージカル。タイトルの「チック、チック…ブーン!」が時計の秒読みを刻む音が30直前のジョナサンの落ち着かない心境を現している。

 ちなみに「レント」がオープニングする直前、36歳の誕生日の10日前に突然亡くなったジョナサン・ラーソンはブロードウェイの伝説的存在だ。NYのダウンタウンを舞台に、様々な人間模様を描くこのミュージカルは現在もロングラン公演中。オープニング以来、何度も劇場に足を運ぶファンが数多い。
 同作品は最近スパイク・リー監督が映画化するという話でキャスティング候補決定の噂まであったが、製作サイドの問題で残念ながら実現しなかったという。スパイク・リー監督がどのように映画化したかを考えると大変興味深いが、96年のトニー賞4部門、ドラマデスク賞5部門他数々の受賞歴がある「レント」の映画化は熱狂的舞台ファンにとっては冗談じゃないという気持ちだったかも。

 さて「Tick, Tick…BOOM!」は「レント」とジョナサン・ラーソンのファンなら絶対見逃せない作品で、30才前の悩み多き世代にも共感を持たれている。売れないクリエイター、ジョナサンのパーソナルなストーリーでありながら、仕事やガールフレンドとの関係、そして将来についての悩みがとても当たり前でいてわかりやすく描かれている。ブロードウェイの伝説ジョナサンも同じ思いで30才前を過ごしたのかという部分が、この作品のひとつの魅力なのだろう。
 本作が注目されたもうひとつの理由は、主演がジョーイ・マッキンタイアだということだろう。86年にニューキッズ・オン・ザ・プロックの最年少メンバーとして12才でデビューし、ティーンのアイドルとして80年代後半から90年代前半にかけて一大ブームを築き上げたジョーイ。ニューキッズが94年に解散した後、一時は消え去ったかと思われていたが、ソロとして着実に活躍。アルバム「Meet Joe Mac」もヒットし、MTVにもレギュラー出演中。アイドルを一歩進んだ役者として「Tick, Tick…BOOM!」の舞台は注目されている。でも公演終了後ジョーイにサインをもらうファンの行列はやっぱりなんてったってアイドルでした。
「Tick, Tick…BOOM!」

日時:火-木 8pm/金-日 7pm/金-土10pm (1月6日まで)
場所:JANE STREET THEATRE
Hotel Riverview Ballroom
113 Jane Street
New York, NY 10014
212-924-8404
料金:$20-$50


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