アート館の名にふさわしく、昨年12月のこけら落としの作品には『カンダハール』(01)と『Behind the Sun』(01)を選び、その翌週にはハル・ベリーがアカデミー賞主演女優賞を獲得した『チョコレート』(01)の上映を開始。実はこの『チョコレート』、ここまでの話題作になるとは配給会社も予想していなかったと見えて、マンハッタンでは当初サンシャイン・シネマとリンカーン・プラザ・シネマの2館のみでの上映だった。
このサンシャイン・シネマはハウストン・ストリートのイーストサイドに建っている。観光客にも人気のあるおしゃれなエリアSOHOの名前の由来がSouth of Houston Streetの略だということはよく知られているが、同じハウストン・ストリートの南側でもこのあたりはロウアー・イースト・サイドと呼ばれるエリア。かつてはユダヤ系の多く住む地区で、サンシャイン・シネマもユダヤ系の言葉であるイディッシュ語による喜劇、イディッシュ・ヴォードビルの劇場だった。