第1回で「興行収入と配給収入」について触れましたが、今回はその元となる「興行会社」と「配給会社」についてお話したいと思います。興行会社とは単純に言いますと映画館を経営している会社ということになります。皆さんのお近くの映画館は全てこの興行会社によって経営されている訳です。皆さんが知っている興行会社の代表的なものは、東宝・東映・松竹の三社が有名だと思います(ただ、この三社はちょっと特殊で日本映画の配給もしているので興行兼配給会社となっていますが)。

 皆さんのお近くで「~東宝」「~東映」「~松竹」などとついた映画館などは非常に分かりやすい例かと思います。最近では"シネマコンプレックス"(シネコン)が凄い勢いで全国に広まっており、ワーナーマイカルやUCI、AMCなどの外資系の興行会社が力を伸ばしているということは、皆さんも良くご存知かと思います。

 一方、配給会社とは映画館に映画を上映するまで(つまり外国からの映画の買い付けや映画の宣伝等)を行う会社のことで一般的に言う映画会社のことを指しています。皆さんが、観に行った作品の上映前には必ず各配給会社(映画会社)のマークが映し出されています。皆さんはそれを覚えていますか?

 日本では、『東宝東和』や『日本ヘラルド』『ギャガ・コミュニケーションズ』といった"独立系"の配給会社(アメリカに本社を持っていない日本独自の会社)と、アメリカの有名な映画会社のマークが入るいわゆる"メジャー系"の配給会社(アメリカに本社を持つ大手映画会社の日本支社)、『ユナイテッド・インターナショナル・ピクチャーズ(UIP)』(主に、山のマークのパラマウント映画、地球のマークのユニバーサル映画を扱う)、『20世紀フォックス』(サーチライトが当たる20のマークは有名)、『ワーナーブラザース(WB)』(WBのマークで有名)、『ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメント(SPE)』(主に女神のマークのコロンビア映画を扱う)などが主な配給会社として存在しています。

 この独立系とメジャー系の最大の違いは、独立系は映画を独自のルートで外国から買い付けてこなければならないということです。ですので以前は独立系の会社は、アメリカの独立系の会社からのみしか買い付けが出来なかったのですが、最近では向こうのメジャー系の会社が海外の配給権を切り売りするようになった為、東宝東和の作品でもユニバーサルのマークが入る映画があったり、20世紀フォックスのマークが入る映画があったりするようになってきており、ボーダーレスになりつつあるのが現状です!

 今後は、ポスターの下の方や映画上映前のマークなどに気を留めてみると、あなたがよく見る作品はどこの会社が一番多いのかということやその会社が扱う作品の傾向などが見えてくるかも知れません!

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東宝東和株式会社