“この映画を観よう”と思うきっかけのひとつに「TVスポット(CM)」 の存在があるのではないでしょうか? 大抵1日1回ぐらいは誰もがTVをつけるはずですから、そこで流れるTVスポットの映像やナレーションで、いかに視聴者の関心を引くかが勝負所になってくる訳です。

 このTVスポットを“流す”(業界では“打つ”と表現)のは莫大な費用がかかるので、全ての作品で出来るわけではありません。1局約数千万円はかかります。TV局のCM枠は、視聴者が多い時間ほど金額が高いので、この時間にスポットを集中させてしまうとそれ程の本数が打てなくなってしまいます。よって基本的にはまんべんなくTVスポットを割り振ります。また、性別で好みが分かれそうな映画であれば、それぞ れ対象の番組付近に割り振ることも。これを“線引き”と呼んでいます。

 複数局でTVスポットを打つことも近年は多くなっています。当然、総費用は数億円に上ってしまう為、基本的にTVスポットは公開1週間前の土曜日から公開前日、また公開2日目の日曜日位まで集中的に打つことが殆どです。話題作が先行オールナイト等を行なう場合はそれに併せて公開数週間前から打つこともあります。いずれにせよ、TVスポットを目にする作品というのは、相当宣伝費用をかけている作品であり、『MI -2』や『パーフェクト・ストーム』そして『シャンハイ・ヌーン』などを数多く目にされたのではないでしょうか?

 また、洋画はすぐに初日が決定しません。これがTVスポットを打つ場合には問題となります。予めこの辺りと初日を仮定して枠をおさえておくのですが、CM自体混雑している時期があり、初日が予想とずれると、思うように打てないといった事態もあるのです。このような事柄を知ってTVスポットを見ると違う見方も出来て面白いですよ。

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