eigafan.comのトップページに毎週更新されている「BOX OFFICE」という項目があるのをご存知ですか?これは全米の興行成績のことで、アメ リカの“週末”3日間の成績をランキング形式にしたものです。インターネット全盛の今日では、日本時間の月曜日には、一般の人でも全米の興行成績を簡単に知ることができます。

 アメリカでは金曜日に公開されることがほとんどなので、週末の興行成績は金・土・日の3日間で集計されます。たまにアメリカ独自の祝日(5月のメモリアルデーや7月4日の独立記念日など)には、水曜日くらいから公開を開始して週末5日間の集計という場合もあります。公開館数が全州規模で数千館、初登場第1位を飾るような作品は、週末成績が数 千万ドル(数十億円)を超えることも。全米での大ヒットの基準は2000万ドルを超える作品で、サマーシーズンは毎週のように大作が公開され、次々1位が入れ替わるといった状況がおこります。

 しかし本当に大事なのは、1位を獲得したらそれを何週間キープ出来るのか、また惜しくもランクダウンした場合、どの程度のダウン率なのかといったことなのです。何故ならどんなに前評判が良くて1位になっても翌週にはランクダウンしてしまったり、上位をキープしていても収益や動員数のダウン率が50%になってしまうような作品は、公開前の話題性は十分だったが、中身が無かったという観客の評価につながるのです。逆に初登場1位にはならなくても、ずっとトップ10にランクインしているとか、ジワジワとランクアップしていくといった場合、その作品の質が高いという事になります。

 最近、全米の興行成績で連続1位を獲得するのは困難になっています。 昨年『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』が公開後4週連続1位、『シックス・センス』が公開後5週連続1位でしたが、それ以降これに迫る作品は出ていません。こういった部分に注目して全米の興行ランキングを見ると、後々日本で公開される作品をどの位期待してよいか予想できます。

 但し、あくまでもアメリカの成績なので、日本人には面白くない(あるいは理解できない)コメディ映画が1位をとったり、大ヒットしても日本では公開されずビデオ発売(ビデオスルーという)されたり、タイトルが日本公開時変わるということもあり、この辺りには注意が必要です。 アクション映画やSF映画などはアメリカの成績を素直に信用してよいでしょう。昔は「結果大作」といってアメリカでは全くヒットしなかった作品が、日本の宣伝力で大ヒットに化けることもありましたが、インターネット全盛の現在はリアルタイムで情報が伝わるので、そのような事はまず起こりません。

 映画会社は、公開予定作品の全米興行成績を重要視しているので、この数字に一喜一憂します。また、ポスターや予告編に「全米初登場No.1大 ヒット!」「○週連続第1位!」といった文句を載せられるかそうでないかで、スタートラインの成績に大きく左右してきます。やっぱり“全米 初登場No.2大ヒット!”じゃ格好悪いですからね!

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