映画が公開の初日には、出演者による「舞台挨拶」や、初日先着来場者に限定のプレゼントが実施されたりすることがあります。何故このようなことが初日に行われるかと言うと、第一に“見栄え”を良くする為です。ここでいう見栄えとは、お客様の入り具合のこと。初日なのに客席がガラガラなどという事態は一番マズイ訳で、少しでも集客を良くする為に舞台挨拶などを行うのです。

 舞台挨拶はほとんどが邦画の初日に実施され、チェーンマスターの劇場で初日の初回上映前か終了後などに出演者や監督によって行われます。舞台挨拶ではお目当ての俳優や女優さんを生で見られる訳ですから、ファンの方たちにとっては最大のサービスと言えます。座席は自由ですから、少しでも近くで舞台挨拶を見たいというファンの方は、徹夜をしてまで前夜から並んでいる姿をみかけます。

 勿論、洋画の場合でも、スケジュールがうまく合えばハリウッドスターが舞台挨拶をすることもあります。そんな時は憧れのハリウッドスターを目に出来る数少ないチャンスですね(最近は映画公開前のイベント試写会のゲストで舞台挨拶なんて方が多いですけど)。この舞台挨拶は、当然マスコミ(TVやスポーツ新聞など)の取材があるので、その作品の最後の話題作りにもなって映画会社にとっても映画館に とっても相乗効果がある訳です。

 プレゼントに関しては、その作品のポスターとかポストカードといったものが配られることが多いのですが、いずれも数に限りがあり、大体は初日初回先着100名様とか、初日先着100名様といった感じになります。基本的に初回で無くなってしまいますが、お客様の入りが悪い場合は夕方行っても貰えたなんてこともあります。

 ただ、よほどのプレゼントグッズでない限り、舞台挨拶ほどの劇的な効果は現れないですし、舞台挨拶の場合も、挨拶が終了した後はガラガラになってしまうということが結構あるようです。なかなか継続的に集客をするのは難しく初日限りの集客に終わってしまうことが多いのが現状ですね。

 尚、舞台挨拶も初日プレゼントも公開前日の新聞広告(金曜日夕刊)に実施の有無などが掲載されます。絶対に舞台挨拶を見たい!という人や、プレゼントを確実にゲットしたい方は、金曜日夕刊の新聞広告のチェックをお勧め致します(稀に公開2週目の土曜日に舞台挨拶やプレゼントの実施を行う場合もありますので、注意しておいて下さいね)。

 また「舞台挨拶&初日プレゼント」のもうひとつの重要な意味として、以前お話したように初日および初回の時間メーター(動員数)である、“打ち込み”は、映画会社にとってその作品の興行成績を占う上で非常に重要な数字ですので、ここで良い成績(動員数)を出す(あるいは、あまりにも酷い数字を出さない)ための措置にもなる訳です。その映画が何週間上映するかということに関しては初日・2日目 の成績が大きな目安になる訳ですから、“打ち込み”の数字は非常に重要なのです。


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