パブリシティとは?(雑誌編) |
映画だけに限ったことではないのですが、ある映画(商品)があったとして、その存在がまったく一般に知られていなければ、決してその映画(商品)の売上げは芳しくないはずです。勿論、その映画(商品)が一般に知られていたとしても、良いもので無ければ、やはり売上げは芳しくないことと思います。つまり良い映画(商品)が広く一般に知られた時、それが大ヒット映画(商品)となり得るわけです。よって各社は力の入った(大ヒットの見込まれる)映画をお金をかけて宣伝していく訳ですが、お金をほとんどかけずに宣伝を行なうことも出来ます。これが「パブリシティ」(通称:パブ)と呼ばれるものです。 例えば、皆さんが読む雑誌などに映画を紹介している記事やコーナーがありますよね。こういったところに映画を売り込んで紹介してもらうのがパブです。といっても映画はたくさんあるので、その中から自分たちの映画が選ばれるには、編集者や担当者と良い関係づくりをしていって、作品を気に入ってもらう必要があります。勿論、映画の中身にもよりますが、編集者や担当者と仲が良ければお願いをしやすいのは事実です。 大きな作品になれば、その話題性故に特に売り込みをしなくても相手側から掲載依頼が来ることが多いので、雑誌のジャンルを問わずたくさんのパブを出していくことが可能になります。パブを多く露出できれば、それだけ大勢の人たちの目に作品を宣伝できるので非常に効果的です。単館系作品やそれほど大きな作品でない場合には、大量のパブ露出を目指すよりも、その作品の雰囲気やターゲットにあった雑誌にパブを展開するのが効果的です。 いずれの場合にも、パブでは作品の内容を伝えらるような写真をメインカットとして決定し、それを統一して使用・露出していくことによって作品のイメージを決定づけていきます。大抵の雑誌は写真を1枚しか使用しないことが多いので、このメインの1枚が重要になります(皆さんもある映画の1枚写真が様々な雑誌に出ているのを観たことがあるのではないでしょうか)。 |
しかし、もし特集のような感じで大きく取り扱われる場合には、メインカット以外にもう少し多めの写真を使って、より作品の雰囲気を出していきます。ここで使われる写真も、あまりにもバラバラでは意味がないので、4~5点映画の雰囲気を伝えるようなものを統一します。当然大きく扱ってもらった方がその映画をより印象づけられるので、ページ数をどのくらい稼げるかということが重要になってきます。大抵の映画紹介記事はコーナー的な扱いで小さなものが多いのですが、雑誌によっては1P、見開き2P、あるいはそれ以上といったこともあるのです。これらの雑誌の映画コーナーでは、構成として大抵の場合、1枚のメインカット写真と映画の紹介(ミニストーリー)もしくは感想などが掲載されています。 こういった文章は、上記に述べたように各雑誌の編集者が自分で書くことが多いのですが、特集など文章量が多かったり、有名な雑誌などの場合には、編集部が“ライター(WRITER)”と呼ばれる人たちに原稿を依頼することがあります。売れっ子のライターさんですと、複数の雑誌に原稿を書き分けるなんてこともよくあります。編集者の場合は特に記名をしませんが、ライターさんの場合には最後に記名されることがほとんどですから、そういったライターさんの名前にも注意しておくと映画選びの参考になるかと思います。 勿論ライターさんにも好きな映画、嫌いな映画、また得意映画、不得意映画などありますし、映画を観てくれたからといって書いてもらうのが難しい場合もあります。けれどもライターさんに紹介する映画の選択をお任せしていることも多いので、映画会社はライターさんとも密接な関係を築く必要があるのです。 今回は雑誌パブに関してお話しましたが、TVやそれ以外に関するパブに関しては次回お話したいと思います。 |
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