来日プロモーション |
映画の宣伝には様々な方法がありますが、公開前(大体1ヶ月前ぐらい)に一番効果的なのは、やはり主演の男優あるいは女優を来日させて、宣伝プロモーションを行なうことに尽きます。但し当然のことながら、どの映画でも来日させれば良いというものではありません。やっぱりある程度有名な人の方が話題になりますので、無名だったりするとあまり意味が無いのです。また相手が大物だと希望しても来日してくれないことも多いです…(いまだに一度も来日したことがない人もいます)。 |
あくまで映画の宣伝の一環として来日招聘する訳ですから、当然“仕事”をメインに行なってもらうこととなります。この仕事とは、大体どこの会社でも概ね同じパターンになっていて、“来日記者会見”に出席してもらい、“個別取材”を受けてもらうことになります。うまくタイミングなどがあえば、試写会などで舞台挨拶をしてもらうこともありますね。 日程的には来日してから帰国まで大体4~5日間になり、その中で2~3日間みっちりと仕事をしてもらうのです(1日の拘束時間は休憩を入れて8時間ぐらいですね)。但し相手のスケジュール次第では滞在時間が1日しかない場合も起こることがあります(大体、大物スターに多いです)。そういう場合は、日本側のスタッフは大忙しになりますが、それでも来日してくれるのであれば、例え1日であっても映画の宣伝にとっては非常に大事なのです。 |
来日記者会見は、ホテルの大広間を借り切って大体30分~1時間ぐらいの時間で行なわれます。これには事前に取材申請をしたマスコミ各媒体(新聞・テレビ・雑誌・ネット等)が数多く出席し、司会を立てて質疑応答を行ない、入場時と退場時に撮影タイムを設けるという構成になっています。最近は司会進行には襟川クロさん、通訳には字幕翻訳の戸田奈津子さんという組み合わせが多いですね。 この来日記者会見を行なうメリットは、一度に多数の媒体に取材をしてもらえることにあります。ただ、質疑応答で必ずしも自分たちが聞きたいこと全てが聞ける訳ではないので、質問者があまり意味のないことを質問したりすると非常に時間の無駄になったりします(事実、結構くだらない質問をする人がいるのです)。 来日記者会見の模様は、スポーツ紙やワイドショーには概ね翌日に露出されます。ただ最近ではネット媒体も多くなってきているので翌日どころか即日にその模様がリポートされている場合も多いですね。勿論、マスコミが対象ですので一般の方が出席することは出来ませんが、最近ではネットで最初から最後までライブ中継される場合もありますので、一般の方でもリアルタイムで来日記者会見を観ることが出来るようになりました。これは一般の方には結構嬉しいことなのではないでしょうか? |
一方、個別取材とは、つまりホテル等の個室を取材用に押さえて単独インタビューを行なうもので、テレビや紙媒体で大体20~30媒体ぐらいに取材してもらいます。「この媒体に取材してもらったら一番効果的だ」と思われる雑誌やテレビに依頼して行なわれます。記者会見と違って媒体が媒体独自の質問や取材が出来るので、より濃い内容の取材が可能になります。 テレビだと20~30分ぐらい、紙媒体だと30分~1時間ぐらいが取材時間の目安になりますが、これは非常に時間に余裕がある場合で、大半は取材媒体の数を稼ぐ為、あるいは男優/女優からのリクエストで取材時間が予め決められていることが多いので、テレビなど、短い場合は持ち時間5分なんていう場合もあり得ます。こういう時はテレビカメラを設置撤去している時間がありませんので、専用のテレビカメラを据え置いて、取材者が入れ替わるということになるのです。 紙媒体はさすがに5分ということはないですが、短いと20分ぐらいなんてこともあります。紙媒体は取材時間と掲載ボリュームが比例するので、短い場合はページのボリューム確保が結構大変になってしまいます。 尚、個別取材の模様の露出タイミングは大体公開1~2週間前ぐらいに集中することになりますので、興味のある方はこの時期に発売の雑誌やテレビ番組などをこまめにチェックしておいた方が良いですね。 (次号へつづく) |
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