予告編の音楽

 以前の豆知識の中で、映画の音楽としてサントラに関しては触れたことがありましたが、“予告編で使用されている音楽”には、触れておりませんでしたので、今回はそのことについてお話したいと思います。
 諸権利の問題や所属レコード会社の問題等がありますので、映画本編の中で使用された曲が全てサントラ(インストゥルメンタルのみのスコア盤も含みます)に収録されているとは限らないのは、以前の豆知識でお話した通りです。これが更に予告編で使用された音楽となると、勿論その全てがという訳ではありませんが、尚のこと収録されていないことが多いのです。

 それは、予告編が映画本編完成前に製作され上映されるということもありますが、予告編のイメージをより印象づけたりする為に、既存の曲で映画の雰囲気にあった良いものを使用することがあるからだと思われます。
 基本的に日本で上映される予告編は、アメリカ本国でのオリジナル予告編のまま、もしくはそれを元に編集されているので、使用されている音楽もほとんど一緒です。でもたまに日本で独自で編集して予告編を制作するという場合もあります。そういう場合には、日本のみ別の音楽が使われる場合もあります。

 また最近だと『アイス・エイジ』のイメージソングをZONEが唄っていますが、このようにタイアップでイメージソングを日本人アーティストが唄っている場合、当然サントラにはその曲が収録されていることはほとんどありませんね。
 ただ実は、この“予告編にのみ使用されている音楽”というのが結構サントラの音楽よりも印象に残っていて、良かったりするんですよね。 東宝東和公開作品の例を挙げると昨年夏に公開され好評を博した『チアーズ!』ですが、この映画はサントラも非常に好評だったのですが、サントラには収録されていない予告編の最後に使用されていた曲が、とても映画の雰囲気にあっていて印象に残るものでした。アーティスト名はAQUAというデンマーク出身のグループで、曲名が「Happy Boys and Girls」というものでした。ちなみに現在のキリン生茶のCMで流れている曲「Cartoon Heros」も、実は彼らの曲なんです!!
 またインストゥルメンタルの曲で言えば、最近の予告編の流行として『猿の惑星』(01)や『スパイダーマン』(02)そして新作『マイノリティ・リポート』(02)で使われている音楽は、実は同一のインディーズ系レーベルのE.S.POSTHUMUSというアーティストのものだということをつい最近知りました。もしかしたらその他の予告編にも使用されている可能性大です。ただ日本では発売していないようですね。

 これはきっと、このアーティストの音楽が映画の雰囲気、そして予告編にぴったりとはまっているということによるのだと思うのですが、このようなことを知っておくと予告編で使われる音楽というのも、本編の音楽とはまた違って面白いものだということが分かると思います。
 上記で挙げた曲は、下記のサイトで試聴することが出来ますので、興味のある方は聞いてみて下さい。また予告編音楽やサントラに関して詳しく解説しているサイトを日米で見つけました。併せて参考にして頂ければ、皆さんが映画や予告編を観ていて良かったと思われた曲を探す何かしらの参考になるのではないかと思います。こちらも興味があったら覗いてみて下さい。もっと詳しいサイトもあるかと思いますが、あくまで私が見つけたサイトということで参考にして頂ければ有難いです。
<<参考サイト一覧>>
■★AQUAアルバムAquarium [Canada] の試聴(USサイト・全曲試聴可)> http://shopping.yahoo.com/shop?d=product&id=1921327136&clink=dmmu-ks/AQUA
■★AQUAアルバム Aquariusの試聴(USサイト・全曲試聴可) > http://shopping.yahoo.com/shop?d=product&id=1921392092&clink=dmmu-ks/AQUA
■★E.S.POSTHUMUSのアルバムUnearthed 試聴(USサイト・一部のみ試聴可) > http://www.wigshoprecords.com/downloads.html
■★E.S.POSTHUMUSのアルバムUnearthed 試聴レビュー > http://www.tracksounds.com/reviews/unearthed.htm
■★虚房サントラ館(日本の個人サイトですが、かなり詳しいです) > http://www.fictory.com/ost/
■★TRACKSOUNDS(USサイト) > http://www.tracksounds.com/
<<戻る


東宝東和株式会社