コピーガードについて

 音楽CDでは、最近になってようやくCD-Rへコピー出来なくする為に、コピーコントロールCD(CCCD)と呼ばれるコピー防止処理(ハードディスクへの取り込みが出来ない)を施したCDが出てきました。それまではどんなCDでも、パソコンなどがあれば誰でも簡単にまるごと1枚コピー出来るという状況でしたし、CDからMDへのデジタルコピーは、第1世代に限っては今でも許可されているというある意味では、非常にオープンな状況でした。

 しかしながら一方で、ビデオやDVDなどの映像メディアに関するこのコピー問題については、比較的高価である点と映像という目に見えるメディア故か(DVDは特に高画質ですし)早くから対応がされていました。
 ほとんどの方は既にご存知のこととは思いますが、ビデオやDVDには著作権保護並びに複製防止の為に“コピーガード”と呼ばれる処理がなされ、その為の信号が収録されています。ビデオであれば皆様の中にもきっとレンタルしてきたビデオをダビングしたけど観れなかったとか、DVDからビデオへコピーをしようとしたが出来なかったという方もいらっしゃるかもしれませんが、それはこのコピーガード処理(信号)によって引き起こされています
 現在、ビデオ&DVDのコピーガードの主流は、マクロビジョン社が開発したアナログコピーガードで、そのまま社名をとって“マクロビジョン”と呼ばれています。これは特殊な信号を収録することで、ビデオであればコピーされたビデオの画面が乱れ、DVDであればビデオへのコピーが出来なくなります。

 ビデオのパッケージ裏面にはコピーガード信号が収録されていますとか、コピー防止処理がされているという記載になっていますが、DVDにはマクロビジョンという表記がパッケージ裏面に必ずありますので、是非確認してみて下さい。ちなみにDVDでは、ビデオへのコピーを防ぐマクロビジョン(アナログコピーガード)とハードディスクなどへの取り込み等を防ぐ為のデジタルコピーガードと呼ばれる処理も施されていますので、二重のコピーガードとなっています。
 尚、このマクロビジョンの収録に関しては、マクロビジョン社との契約が必要となるので、勝手に収録できるものではありません。更に1タイトル・1本(枚)ごとに技術使用料(それぞれのソフトの標準小売価格に応じて変化します。概ね5~15円以内)をライセンス料として支払う必要性もあるのです。仮に技術使用料が1本(枚)につき10円のタイトルでも、その出荷が10万本(枚)以上であれば、トータルでの支払いは100万円を超えてしまいますので、かかるコストとしては決して馬鹿には出来ません。ただコピーが簡単に出来てしまうようなことがまかり通れば、確実にその損害は自らに跳ね返ってきますので、背に腹は替えられないこととして、コピーガード処理は、ビデオやDVDにはもはや一般的なものとなっているのです。
 もしかしたら皆様の中には、このようなコピーガードの存在が不便に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、近年の急激なハードの進歩、海賊版の撲滅などの立場から考えると、著作物を守る為の最低限の自衛手段になりますので、ご理解頂きたいと思います。ちなみに不正な機器などを使ってコピーガードを外してコピーをするのは、私的視聴が目的であっても違法行為ですのでご注意下さい。
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