『シャンハイ・ヌーン』でジャッキー・チェンとオーウェン・ウィルソンの東西2人の戦士が必死に救おうとしている、中国の紫禁城から誘拐されたぺぺ姫を演じているのが、今、アメリカで最も有名な東洋系女優、ルーシー・リューだ。

 「それって誰?」と思った人でも、NHKで放送されていたドラマ「アリーmyラブ」の2シリーズ目からレギュラー入りした、ちょっと冷たく理屈っぽいリン・ウー役といえば、『ああっ、あの人』って思う人は多いはず。目が釣りあがっていて、意地悪そうな典型的な東洋系な顔をしているという印象なのだが、アメリカでは、このドラマの中で、リンに好意を寄せるリチャード役のグレッグ・ジャーマンとのキスシーンで、「最もセクシーな女優の一人」と評価され、一躍注目女優に。また、アリー役のクリスタ・フロックハートとの女性同士のキスシーンも話題となった。

 ルーシー・リューは、1968年12月2日、NYで貧しい中国移民の家に生まれた。リューは北京語を流暢に話し、インドネシア格闘技が得意。ニューヨーク大学からミシガン大学へ移り、アジア言語と文化を専攻。そのほか、演技と踊り歌を習っていて、大学4年の時、端役でいいと思って受けた学生シアターの舞台「不思議の国のアリス」で主役に抜擢され、演技に目覚めた。

 女優としては、『ER』『Xファイル』など数々のTVドラマに出演し、ヒットシリーズ『アリー・マイ・ラブ』で、多くのファンを獲得。エミー賞コメディ部門助演女優賞やSAG賞コメディ部門女優賞にノミネートされた。スクリーンでは『ザ・エージョント』(96年)、メル・ギブソン主演の「ペイバック」(99年)、『トゥルー・クライム』(99年)などに出演している。今年、70年代を代表するTVドラマ『チャーリーズ・エンジェル』の映画化にあたり、誰が主役の座を射止めるのか全米中の注目が集まっていた。そんな中、ドリュー・バリモア、キャメロン・ディアスという超大物女優に肩を並べ、ルーシー・リューが3人目のエンジェルに決まり、一流女優としての地位を確立した。

 演技以外でも、フォトグラファーとしての一面もある。1993年にNYのソーホーにあるギャラリーで初めて開いた展示会で、ある企業から奨学金を貰い、中国へ留学。その時に撮った写真を元に、97年カリフォルニアで展示会を開き、大成功を収めている。 また、アコーディオンもプロ並の腕前で、プロとセッションをするほど。『天は二物も三物も与えた!!』って感じな、マルチ女優。


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【関連サイト】
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