■“レオの友達”から“注目の若手演技派”へ大躍進!
 吸い込まれそうな澄んだ青い瞳。こんなチンプなフレーズにも説得力をもたせてしまう、この男の子がトビー・マグワイア。99年度アカデミー賞2部門受賞の話題作「サイダーハウス・ルール」で主演を務め、日本でも人気・評価とも急上昇中の若手スターだ。

 1975年6月27日、米・カルフォルニア州サンタモニカ生まれ。本名トバイアス・ヴィンセント・マグワイア。88年頃、CM・テレビドラマのゲスト出演で俳優としての活動を開始し、92年連続テレビドラマ『GREAT SCOTT!』でレギュラー獲得。映画には93年『ボーイズ・ライフ』でのレオナルド・ディカプリオ演じる高校生の友達役でデビューを果たした。以前からレオとは親友で、97年『タイタニック』での来日の際、トビーも同行。日本では、レオの友達の自称俳優として知った人も多いのでは?
 それを覆したのが同年の『アイス・ストーム』。現在では日本でも、繊細な少年心理を演じさせたら右にいるものはいない、と高評価を得る若手演技派のひとりとなった。

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■人気監督&大スターから、パートナーにとひっぱりだこ!
 デビュー作『ボーイズ・ライフ』('93)で、すでにロバート・デ・ニーロと共演を果たしたしたトビー。ちょい役ながらデ・ニーロにも将来性を絶賛され、スティーブン・ドーフ主演『S.F.W.』('94)、『REVENGE OF THE RED BARON』 ('94・未)、リブ・タイラー主演『エンパイア・レコード』('95)、ベニチオ・デル・トロ主演『JOYRIDE』('96・未)とインディー作品で活躍していた。そんなおり、『いつか晴れた日に』('95)のアン・リー監督の目にとまり、崩壊していく家族を描く『アイス・ストーム』('97)で思春期の少年を演じて国内外で評価を確立。同年、ウディ・アレン監督にも抜擢され、『地球は女で回ってる』でコミカルな魅力も発揮、多くの女の子ファンもゲット。ジョニー・デップ主演『ラスベガスをやっつけろ』('98)ではカメオ出演も。そして、ゲーリー・ロス監督の『カラー・オブ・ハート』('98)で初主演! わずか5年でスターの仲間入りをした注目株だ。

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■質に妥協しない、伸び盛りトビー厳選の最新作はコレ
 『サイダーハウス・ルール』('99)だけでなく、トビーは新作が盛りだくさん! まずは『ワンダー・ボーイズ』(2000)。カーティス・ハンソン監督&マイケル・ダクラス主演のオフビートな群像劇で、小説とウソの天才という異色のキャラクターを好演している。本作では繊細さとコミカルさを合わせた演技を軽やかにこなしており、今までの集大成と言える。続いて公開が見込まれるのが『RIDE WITH THE DEVIL』('99)。『アイス・ストーム』のリー監督と再びタッグを組んだ歴史大作で、南北戦争に参加したドイツ移民の兵士役に。ほか、ハーベイ・カイテル共演『JACK SHEPPARD AND JONATHAN WILD』に来年クランクイン。アニメ『LIKE CATS AND DOGS』(2000)では、スーザン・サランドンらと声優に初挑戦する。作品選びにうるさいトビーのこと、いずれも期待大だ。

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■プライベート&仕事仲間からのコメントにみるトビーとは?
 父親の違う3人の兄弟をもち、貧しい家庭に育ったトビー。祖父母や親戚と暮らすこともあったが、彼に演技をするきっかけを与えたのは母親。小学校の時、演劇クラスを受けることを勧め、100ドルを出してくれたという。が、生活苦は続き高校中退。稼ぐためにLAに出てハリウッドヒルズの裏通りに住んでいた。この時部屋をシェアしていたのがレオ。彼とはこの頃からの親友で、『ボーイズ・ライフ』のオーディションには一緒に参加したらしい。食べ物に関しては、徹底したベジタリアン。8年前からそのようで、好物は豆腐。しかも堅いのがいいんだそう。そんな体への気遣いを見せつつ、愛煙家でもある。

 好きなことは映画鑑賞、苦手なことなことはダンス。・・・と、羅列したが、プライベートの彼の魅力はひょうひょうとした普通っぽさでは?スターになった今でも、「贅沢したいと思わないし、大金つまれてもつまらない映画にでたくない。そして有名にもなりたくない」と語るトビー。けっこうしっかり者だ。

 “ミニマリズム”と彼の演技は称される。最小の演技で最大の効果を上げることだ。そんな彼について『地球は女で回ってる』のアレン監督は、「いじりがいのある俳優。キャラクターについてきちんと答えをもっているから、演技を素直に見せられるんだ」と語っている。『ワンダー・ボーイズ』のマイケル・ダグラスは「彼の演技はまねできないね。どうしてそんなにナチュラルなんだ、と聞きたいよ」と絶賛。“ミニマリズム”という評価に対して、トビー本人は「なりきるってよくわかんないよ。僕はただ演技をしてるんだ。」と言っている。確かに彼の演技はあまりに自然で、ただ当たり役を得ていたように思っている人もいるだろう。でも、彼はそんなに小さな役者ではない。今後も注目!!
マイケル・ダグラス
(「ワンダー・ボーイズ」より)
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【関連サイト】
ワンダー・ボーイズUSサイト
サイダーハウス・ルール(トビー・マグワイア)サイト

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