■ 数多くの賞に輝く、現在の映画界を代表する演技派俳優 | ||||||||||||
名バイ・プレイヤーとして80本以上の作品に出演し、あらゆる賞を総なめにしてしまう俳優、それがロバート・デュバルだ。どんな役柄を演じても、その演技が作品に深みと感動を与え、観ている者の心を捉えて放さない。今までにアカデミー賞を含め10以上の賞にノミネートもしくは主演、助演男優賞を受賞している。そんなデュバルの映画人としての軌跡をこのコーナーでたどってみよう! | ||||||||||||
31年1月5日、カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。本名ロバート・シェルドン・デュバル。父親は海軍将校だった。3人兄弟の真ん中(兄はウィリアム、弟はジャック)に生まれた彼は、イリノイ州プリンシピア大学で歴史と政治学を学ぶ。在学中に、女優をしていた母親に勧められて演劇に興味を持つようになり、専攻を演劇に変える。卒業後は海軍に入隊し2年間を過ごした後、ニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで高名な演技指導者サンフォード・マイズナーについて演技を学ぶ。スクリーン・デビューは『アラバマ物語』('62)のブー・ラドリー役。70年代に入ると本格的に映画界で活躍し始め、『M★A★S★H』('70)を皮切りに、アカデミー助演男優賞ノミネート作品の『ゴッドファーザー』('72)や、アカデミー主演男優賞及びN.Y.批評家協会賞を受賞した『テンダー・マーシー』('82)、ゴールデン・グローブ賞助演男優賞を受賞した『地獄の黙示録』('79)など数多くの作品に出演。『告白』('81)や『ライトシップ』('85)ではヴェネチア国際映画祭イタリア批評家賞、『The Apostle』('97・未)ではL.A.批評家協会賞など様々な賞を獲得している。最近は『シビル・アクション』('99)でジョン・トラボルタ、『60セカンズ』('00)ではニコラス・ケイジと共演している。 | ||||||||||||
■印象的な役作りで映画を引きたてる、デュバルの出演作をチェック! | ||||||||||||
80本以上もの作品に出演しているデュバル。その中でも、特に彼の代表作とされる作品をいくつか紹介しよう。 | ||||||||||||
■渋い演技が光る!今回デュバルが挑むのは近未来サスペンス・アクション映画 | ||||||||||||
|
||||||||||||
デュバルの役どころは妻を愛するクローン研究の第一人者、グラハム・ウィアー博士。彼の演技がこの映画のドラマチックな部分を引きたて、ただのアクション映画とは一線を画した物語に仕上がっている。
このほかの作品では、トロント国際映画祭に出品されたドラマ『A Shot at Glory』('00)では、主役のスコットランドのサッカー・コーチを演じている。また、撮影中の作品に、ニック・カサヴェテス監督作品、デンゼル・ワシントン、アン・へシュ、レイ・リオッタ出演のサスペンス映画『John Q』('01)がある。 |
||||||||||||
■プライベート&映画人のコメントに見る、デュバルの魅力とは? | ||||||||||||
|
||||||||||||
『フェノミナン』('96)、『シビル・アクション』('99)で共演したジョン・トラボルタは「僕はロバートのことをとても尊敬しているし、出来ればまた共演したいと思ってる。彼は人間としても役者としても自分と同じ波長を持っていると感じるんだ。僕も彼も食べることと踊ることが大好きだしね」と語る。 | ||||||||||||
また、トム・ハンクスは、100以上もの役を演じ分けられる偉大な俳優を評して、「彼はこれまで一度も役の選択を誤ったことがない、素晴らしい役者だ」と尊敬の念を込めて語る。デュバルは障害者、警官、整備工、カウボーイ、士官、伝道者、歌手、なんと黒人までも演じたのだ。
92年には映画の発展と製作に積極的に貢献しようと"ブッチャーズ・ラン・フィルムズ社"を設立したデュバル。質の高い作品を求める姿勢は衰えず、製作、監督、脚本、主演を兼ねた『The Apostle』('97)では再びアカデミー賞にノミネートされ、75人以上もの映画批評家から「97年度トップ・テン映画」にリストアップされた。また、この映画ではサウンドトラックに自作の曲を提供するなど、音楽の才能も発揮している。 多くの俳優が、地道に役柄を演じ分けること以上に、一攫千金を目指す。そんななか、デュバルは取りたてて目立つというわけではないけれど、重要な役柄をいくつもこなすことによって役の幅を広げるという方法で身を成してきた。それは彼にとって非常に楽しく、またかえって彼自身のキャリアに安定を持たせるきっかけにもなった。この地道な努力が、デュバルにいくつもの賞をもたらすことなったのだ。 『スリング・ブレイド』('96)で監督・脚本・主演を務め、デュバルと共演したビリー・ボブ・ソーントンによると、デュバルは自らを「晩成型で現実的」だという。さらに「ロバートは、役者として飾らずありのまま演じるようにしている、なぜなら自然や生命といったものはそれだけで美しく存在感のある大きなものだからだ、と言っていたよ。長く一緒に仕事をしてわかったのは、そういう彼はやっぱり僕にとって英雄だってことだ」と語る。 目立たず自然のままに、という点で、彼は天才的な才能を発揮する役者だ。しかもそれがかえって存在感を持たせる。そんな芸達者なデュバルが、今後どんな作品でどんな役に生命を吹き込むのか興味深いところだ。 |
||||||||||||
(C)2000 COLUMBIA PICTURES INDUSTRIES. ALL RIGHTS RESERVED | ||||||||||||
<<戻る |