JON VOIGHT
 数々の名作に出演、個性派オスカー俳優ジョン・ボイトの魅力に迫る!

 いまやアンジェリーナ・ジョリーのお父さんとしても有名なジョン・ボイトですが、過去にはオスカー獲得経験もあり、感動作からホラー映画まで、どんな役でも演じることができる個性派俳優。そんなボイトの渋い魅力に迫ります!
 ボイトは1938年12月29日、ニューヨーク州ヨンカーズ生まれ。本名ジョナサン・ボイト。父エルマーはチェコ系のプロゴルファーで、バリーとチップ・テイラーという音楽家の兄弟がいる。アーチビショップ・ステピナック高校からワシントンDCののカトリック大学に進んで舞台美術、演出、演技を学び、60年に卒業。その後、地方でサマー・ストックの舞台に立つなどしていたが、NYに戻り、ジョシュ・シェリー、サンフォード・マイスナーといった有名な演技コーチに指導を受ける。「サウンド・オブ・ミュージック」('59)のロルフ役でブロードウェイ・デビュー。オフ・ブロードウェイの「橋からの眺め」('64)などで注目を集め、67年に出演した「That Summer,That Fall」で、シアター・アワード賞を受賞した。

 数々の舞台出演ののちハリウッドに移り、TVシリーズ『コロネット・ブルーの謎』や『決斗シマロン街道』、『ガンスモーク』などに出演したあと、67年『墓石と決闘』で映画デビュー。ボイトの名前を広く世に知らしめた作品がジョン・シュレシンジャー監督作品『真夜中のカーボーイ』。共演のダスティン・ホフマンと共にアカデミー主演賞候補となり、ボイトはNY批評家賞を受賞して一躍注目を浴びる。
 その後、『帰郷』('78)で、ヴェトナム負傷帰還兵を演じてアカデミー主演男優賞、カンヌ映画祭男優賞を受賞。“チャンプ”と慕う息子の期待にこたえるべく、再びリングに上がることを決意する元ボクサー、ビリー・フリンを演じた『チャンプ』('79)や、黒澤明、菊島隆三原案の『暴走機関車』('85)、『アナコンダ』('97)ではヘビの密猟者サローン役を怪演し、役の深みも幅も大きく増やしていく。『エタニティ 永遠の愛』('89)では製作総指揮、脚本、出演を兼ね、『The Tin Soldier』('95)では監督としてもデビュー。女優ローリー・ピータースと60年に結婚したが、67年に離婚、ミシェリーヌ・ベルトランと71年に結婚し、ジェイムス・ヘイヴン、アンジェリーナ・ジョリーの2子をもうけるが76年に離婚。新作『トゥームレイダー』(01)では、愛娘のアンジェリーナと共演を果たした。


■VIDEO&DVDでチェック! ボイトの役者魂
渋い個性派スターとして活躍するボイトの姿を作品でチェック!
 子供向け感動ドラマからサスペンス・アクション大作まで、どんな役でも演じ分ける個性派ボイトの魅力を出演作で探る!


■『エネミー・オブ・アメリカ』('98)
弁護士のロバート・クレイトン・ディーン(ウィル・スミス)は、ある日友人のダニエル・ザビッツ(ジェイソン・リー)と再会する。その時渡されたのは、ある事件の証拠を納めたテープ。首謀者はNSA(国家安全保障局)の行政官トーマス・ブライアン・レイノルズ(ボイト)だった。最新鋭のテクノロジーを駆使して隠蔽工作を開始、証拠と共にディーンを抹殺しようとするNSA。家族と仕事を失い、犯罪者の濡れ衣まで着せられてしまったディーンは、元諜報工作員ブリル(ジーン・ハックマン)を味方につけ、巨大な敵を相手に反撃を開始するが…。悪役に徹するボイトの演技が光る。

発売元・販売元:パイオニアLDC
価格:¥4,700(税抜)or レンタル


■『フランダースの犬』('98)
幼い頃に両親失ったネロ(ジェレミー・ジェイムズ・キスナー)は、祖父(ジャック・ウォーデン)と村外れで貧困生活を送っていた。ある日、道端にうずくまる瀕死の老犬と出会ったネロは、母のミドルネームをとって“パトラッシュ”と名づける。ネロのささやかな楽しみは、絵を描くことと大聖堂にかざられたルーベンスの絵画を観ること。しかしお金の無いネロには叶わぬ夢だった。やがて絵の才能を画家のミシェル・ラ・グランデ(ボイト)に認められながらも、その夢を奪われてしまう。さらに祖父を亡くし、唯一の友人アロアとの交際も禁じられ、放火の疑いをかけられてしまった…。

発売元:アミューズピクチャーズ
販売元:アミューズソフト販売
価格:¥4,800(税抜)or レンタル

(C)1998 Wood-Flanders California,Inc All Rights Reserved.


■『レインメーカー』('97)
ジョン・グリシャム原作の「原告側弁護人」をフランシス・F・コッポラが映画化した法廷ドラマ。法学校を卒業したてのルーディ(マット・デイモン)は、知人の紹介で悪徳弁護士ブルーザー・ストーン(ミッキー・ローク)のもとで働く事に。それも束の間、ブルーザーに警察の介入し、ルーディは同僚のデック(ダニー・デビート)と小さな個人事務所を開く。最初の仕事は、保険金の支払い拒否を続ける保険会社への賠償請求だった。一流弁護士を抱える保険会社相手に、新人ルーディに勝ち目はあるのか…? ボイトは企業側の悪徳弁護士役を演じている。

発売元・販売元:パイオニアLDC
価格:¥4,700(税抜)or レンタル


■『Uターン』('97)
オリバー・ストーン監督作品。マフィアへの借金を返済するため、ボビー・クーパー(ショーン・ペン)はラスベガスに向っていた。しかし車が壊れてしまい、スペリアという小さな町へ立ち寄ることになる。町の人間はボビーを毛嫌いして嫌がらせを繰り返すが、そんな中、ボビーは美しい人妻のグレイス(ジェニファー・ロペス)と彼女の横暴な夫ジェイク・マッケンナ(ニック・ノルティ)と知り合いになる。ジェイクはボビーに5万ドルで妻を殺して欲しいと依頼。しかしボビーはグレイスにも夫殺しを依頼され…。ボイトは盲目の退役軍人役を演じた。

発売元・販売元:パイオニアLDC
価格:¥4,700(税抜)or レンタル


■『ミッション:インポッシブル』('96)
人気TVシリーズ『スパイ大作戦』の映画化作品。情報漏れのため失敗に終わったIMFのスパイ作戦。イーサン・ハント(トム・クルーズ)は、内部の裏切者を見つけ出すための作戦と知るが、疑いは自分にかかっていた。真実を暴くため、死んだボスのジム・フェルプス(ボイト)の妻クレア(エマニュエル・ベアール)と連絡を取る。彼は、元CIAのクリーガー(ジャン・レノ)と天才ハッカーのルーサー(ヴィング・レイムズ)をメンバーにし、武器商人マックス(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)から得た情報をもとにCIA本部への潜入を試みるが…。

発売元:CIC・ビクター・ビデオ
価格:¥4,700(税抜)or レンタル


■『真夜中のカーボーイ』('69)
金持ち女の相手に金を稼ごうと、ユートピアを求めてテキサスの片田舎からニューヨークへはるばるやって来たジョー(ボイト)。しかし現実は厳しく、カウボーイ気取り彼の夢は遠のいていくばかり。そんな時、ジョーが知り合ったのがラッツォ(ダスティン・ホフマン)と呼ばれる小男。始終咳き込み足を引きずって歩く彼とジョーは次第に友情を深めていく。だが、次第にラッツォの病状は日増しに悪くなっていた。ジョーは、フロリダへ行きたいというラッツォの夢を叶えようとするのだが…。ボイトとホフマンは本作で揃ってアカデミー賞にノミネートされた。

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント
価格:¥3,980(税抜)or レンタル


■その他のVIDEO&DVD作品
『バーシティ・ブルース』('99)、『ノアズ・アーク』('99・未) 、『ジェネラル 天国は血の匂い』('98・未)、『アナコンダ』('97)、『クロスゲージ』('97)、『ローズウッド』('96・未)、『ヒート』('95)、『傷だらけのカーボーイ』('94・TV)、『レインボー・ウォリアー 爆破指令』('92)、『5人のテーブル』('82)、『チャンプ』('79)、『コンラック先生』('74)、『オデッサ・ファイル』('74)、『キャッチ22』('70)


■最新映画でチェック! ボイトの新境地
ボイトの新作は、愛娘アンジェリーナ・ジョリーと共演したスペクタクル巨編!
 ボイトの新作は、実の娘アンジェリーナ・ジョリーが主演した全米大ヒット・アクション・アドベンチャー作品『トゥームレイダー』。富豪の娘として生まれたララ・クロフトが、父親から託された謎を解決するため、トレジャー・ハンターの才能を駆使して世界中をかけ巡る…というストーリー。
 ボイトは劇中でアンジェリーナ演じるララの父、ヘンシングリー・クロフト卿を演じています。ララは父の志を継いでトレジャー・ハンターとなったわけですが、実生活でも父で俳優のボイトとめでたく共演となりました。アンジェリーナはインタビューで父と共演したことについて、「ララと父親の関係がとてもいい親子関係だったので、とても楽しかった。特別な経験をさせてもらったって感じね。面白いことに、撮影中、父は愛情表現にとても積極的で、毎朝ぬいぐるみを持って私のトレーラーに遊びに来たのよ。何とか私を笑わせようとしていたのがおかしかったわ」と語っています。
 この他の作品に、ベン・アフレック、ジョシュ・ハートネット、ケイト・ベッキンセール主演の『パール・ハーバー』(01)でフランクリン・ルーズベルト大統領を演じています。また新作に、ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソンらと共演した『Zoolander』(01)、マイケル・マン監督作品、ウィル・スミスがモハメド・アリ(カシアス・クレイ)を演じた『Ali』(01)で、サイモン・レックス、チェビー・チェイスと共演の『Unleashed』(01) 、『ベイビー・トーキング』('98・未)の続編『Baby Geniuses 2: Superbabies』(02)が待機中です。


■ここもチェック!? ボイトのあれこれ
作品とコメントに見る、ボイトの俳優人生とは?
 ボイトは若い時にはハリウッドの新星として数々の映画で主役などを演じていましたが、最近は大きな作品などで脇役に徹しているようです。もちろん、年をとっても華々しく主役を演じているスターもいますが、そう多くはありません。彼自身、そういった“溶け込む”タイプの役者のほうがやりやすいと言いいます。
 後年のボイト自身のキャリアには、母バーバラの影響が大きいと語っています。彼の母が骨ガンにかかっていると診断されてから、母のそばにいたいと思うようになったボイト。バーバラは映画のセットや旅行が大好きで、彼はそんな彼女の行きたい場所に合わせて作品を選ぶようになりました。『ミッション:インポッシブル』に出演を決めたのも、ロンドンとチェコスロバキアに行くことが分かったので、母のためにジム・フェルプス役を引き受けたそうです。この作品でボイトは再び注目され、多くのヒット作にオファーされるようになっていきます。
 80年代はこれといった作品に巡り合えなかった彼も、母のおかげで『ヒート』や『レインメーカー』、『パール・ハーバー』といった大きな作品に関わるようになりました。しかし、彼はこれを別段“メインストリーム”に返り咲く手段としたわけではなく、ただ純粋に母のために、母と過ごす時間を大切にしたいと思ったからだそうです。彼の母が亡くなる前、ボイトに「もっと忙しく働いていたほうがいい」とアドバイスしてくれていたおかげで、今でも彼女がそばにいて、「がんばりなさい」と背中を押してくれている気がするといいます。
 最近では自分の娘アンジェリーナとの共演も果たしました。大きな作品に彼のような演技達者な俳優が出ていると画面が引き締まります。今後も映画界の重鎮としてますますの活躍を期待したいですね。


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