Chris Klein
 21世紀のスターとして期待を集める23歳の若きホープ

 ハイスクール高学年のとき、ロケ地の下見に来ていたアレクサンダー・ペイン監督に見出され、オーディションを受けて見事『ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!』('99)の主役を獲得したシンデレラ・ボーイ、クリス・クライン。アップルみたいな頬と透き通るような肌を持ち、デビュー作で瞬く間にアメリカのティーン・アイドルとなったクリスの魅力に迫ります。
 1979年3月14日、イリノイ州、シカゴの郊外で生まれた彼は、13歳のときにジェネラル・モーターズに勤務する父親の転勤で、家族共どもネブラスカに移住。アメリカ中世部のどこにでもある典型的なミドルクラスの少年時代を過した。

 小学校4年生の時、シカゴのコンベンションセンターでソロで歌った経験から、クリスは周囲の注目を浴びることを熱望するようになったという。スターとしての運命はこのときからすでに決まっていたとしかいいようがない。
 ハイスクール時代はフットボール・チームのクォーターバックとラインバッカーをつとめ、また学校の演劇プロダクションに所属。「ウェストサイド物語」のトニー役を始めとして数々の主役を演じるなど、常に人々の注目を集めるアイドル的存在だった。

 すでに俳優としての道を歩み始めていた彼は、ハイスクール卒業後はキャリアを積むために演劇学校へ進む予定だった。しかし突然「女の子をおっかけたり、樽ビールを飲んで騒いだり」という普通のキャンパス生活を送りたくなってテキサス・クリスチャン大学に進学を決める。だが俳優と学生の両立は難しいと悟り、学校をやめる決意をして俳優の仕事に専念。俳優に専念するクリスの活躍ぶりは、出演映画が常に大ヒットすることで確認できるだろう。

 出演作にジョシュ・ハートネットと共演した『愛ここにありて』(00)、『アメリカン・パイ』('99)、『アメリカン・サマーストーリー』(02)などがある。


■DVDでチェック!クリス・クラインの輝く魅力!
アメリカを代表する青春映画スター。僅か数作品でスターダムに!
◆アメリカン・パイ<無審査特別版> ('99)

ハイスクール卒業間近の冴えない男子生徒ジム(ジェイソン・ビッグス)、ラクロス部の無神経男オズ(クリス・クライン)は、”バージン”仲間たちと何とか卒業までに初体験を済ませよう協定を結ぶ。オズはお堅いコーラス部に所属してガールフレンド探しを決行、ジムは留学生の美少女に誘惑されて初体験に挑むが、結局みんなバージンのままプロムの夜を迎えてしまう・・・。健康的なセックス・コメディはアメリカのティーンの間で大ヒット。タイトル『アメリカン・パイ』の意味は作品中で明かされるが、それは観てのお楽しみ。監督ポール・ウェイツ。

発売/販売元:ポニーキャニオン
標準価格:¥4,700(税抜)
◆ギリーは首ったけ (01)

今絶大な人気を誇るファレリー兄弟製作のアブナイ・ラブ・コメディ。孤児として育ったギリー(クリス・クライン)は、ある日町にやって来た美容師ジョー(ヘザー・グレアム)にひとめ惚れ。ヘタクソなカットで耳を切られても、ギリーは彼女のことを忘れられない。ところがなんとジョーはギリーの生き別れの姉だった!ふたりの愛の行方は・・・。いつもながらかなりヤバいファレリー兄弟おきまりの動物虐待、差別的ギャグなどが満ち溢れているが、最後には心から感動して涙が流れる。笑いと涙は表裏一体という、ある意味コメディ映画の王道を行く作品だ。

発売/販売元:20世紀フォックス ホームエンターテイメント ジャパン
価格:¥3,980 (税抜)
◆ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ! ('99)

アレクサンダー・ペイン監督/脚本作品。クリスは、この作品でシカゴ映画批評家協会から最優秀新人賞にノミネートされた。ハイスクールの生徒会長選挙を題材にしたブラック・コメディで、原題は『Election(選挙)』。人気教師のジム(マシュー・ブロデリック)は、典型的な優等生トレーシーが自分のキャリアのためだけに生徒会長の座を狙っている事に危惧を抱き、人気者のスポーツマン、ポール(クリス・クライン)をそそのかして対立候補に祭り上げる。上昇志向を原動力とするアメリカ的価値観に皮肉を投げ掛ける深いテーマを持った作品だ。1999年アカデミー脚色賞ノミネート、NY批評家協会脚本賞を受賞している。

発売元:CICビクター
販売元:ビクターエンタテインメント
価格:¥4,700(税抜) 


■最新映画でチェック!
青春映画スターとはもう言わせない!アクション映画へ初挑戦!
 子供の頃、映画館で『スター・ウォーズ』を観て、宇宙で一番クールでタフなハン・ソロみたいになりたいと願い、また『ダイ・ハード』のブルース・ウィルスやジョン・ウェインらが憧れの俳優だったというクリス。そんな彼が念願のクールでタフなアクション・ヒーローに初挑戦。ジョン・マクティアナン監督のバイオレンス・アクション『ローラーボール』は、クリス・クラインにとって脱青春スターとなる作品となった。

 本作で主役ジョナサン役を演じ、今までのおとなしく優しい役柄から一転、彼本来の運動能力も活かしたアクションのヒーローを演じ、アメリカのマスコミは新たなる可能性と更なる魅力を見せつけたと絶賛。そのことについてクリスはこう語っている。
「僕も反響の大きさに驚いているんだ。今までは、どちらかというとのんびりしたティーン役が多かったからね。だけど僕はもともとスポーツが好きで、アクション映画にも自信があった。その点この作品は、演技もさることながら激しいシーンがあったので、とてもエキサイティングだったよ。マクティアナン監督も“ジェットローラーコースターのように、かつてない激しいアクション映画にする”と、撮影前から言ってたし、覚悟はしてたけどね。とにかく僕にとっては初のアクション作品で、憧れのマクティアナン監督と組めて最高だったよ」
 とはいうものの、初のアクション作品はクリスにとってかなり過酷だった。
「インライン・スケートは中学以来だったからね。カナダのカルガリーにあるオリンピック・トレーニング場で、オリンピック・チームのプログラムを作っているコーチ、アンドリュー・バロンに教えてもらった。インライン・スケーターになるように身体を作り変えていく予定だったんだけど、この時は落ち込んでしまったよ。いろいろなスポーツを経験し、今まで自分ではスポーツマンだと思っていたんだ。でも肉体的に過酷なことばかりで、最初は大丈夫だったんだけど、そのうち身体が利かなくなってしまった」と撮影前のスケート・トレーニングの様子を語っている。

 しかし抜群の運動神経の持ち主クリスは、最後には見事にインライン・スケートをものにし、それ以上の収穫も得たようだ。「スケートは本当に難しかった。『アメリカン・パイ』の時には2日でラクロスを覚えられたんだけどね。インライン・スケートだけで1ヶ月もかかってしまった。それにハリウッド・スターがオリンピックを目指す選手たちと一緒にトレーニングするってことだけでも、ハードだよ。でも彼らは、僕の生涯出会った中でも最高にクールな奴らだったんだ。それからモントリオールに行ってエクストリーム・スケートの特訓を受けた。そこでも1ヶ月間を費やしてトレーニングに明け暮れたよ。練習もさることながらスケーターたちの仲間意識と技術を学ぼうとする情熱を目の当たりにできたのも、凄い収穫だった」。
 『ローラーボール』は5月11日(土)全国東宝洋画系にて公開。
■公式サイト> http://rollerball.eigafan.com/
 このほか、アメリカで初登場1位となったヴェトナム戦争映画『ワンス・アンド・フォーエバー』(02)が、この夏日本公開予定。また現在、ケヴィン・スペイシーと共演の犯罪ドラマ『United States of Lelarnd』('02)を撮影中だ。


■これもチェック。クリスのあれこれ
まだまだいっぱい可能性を秘めたクリス
 アクション映画も好きだが、実はクリスが一番感銘を受けた作品は、ジェームズ・スチュワート主演のハートウォーミング・コメディ『ハーヴェイ』('50)だという。6フィートの見えない白ウサギを最良の友とする男の話だが「彼の演技は、本当に彼の横に巨大なウサギがいるんだと思わせた」と映画を観たときの印象を語る。クリスは、“アメリカの良心”と謳われたジェームズ・スチュワートのような偉大な俳優を目標にしているらしい。
テキサス・クリスチャン大学に在籍していたクリスは敬虔なクリスチャン。彼の発言にはスピリチュアルな部分がうかがえる。「映画のセットの中で仕事をしているときが一番幸せだ。そこでは平穏を感じることが出来る。僕は生活のために俳優をしているけど、決してロボットではない。僕にとって、人間としてまた俳優として大切なことは、いつでも自分自身で在り続けてそして気楽でいること。新しい人々に会うとき、常に自信を持っていたいし、落ち着かないコッカースパニエルみたいになりたくないんだ。僕はずっと山を昇り続けていたい。決して頂上に行き着かない山をね」
 "ポスト・キアヌ・リーブス"との呼び声が高いクリス・クラインだが、キアヌを超える俳優になる可能性を秘めているかもしれない。


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