Richard Harris/リチャード・ハリス
 重厚な演技で映画を支えたハリスの魅力!

 ハリポタ・シリーズで、ホグワーツ魔法学校のダンブルドア校長を演じ、大人から子供まで幅広い人気を集めて一躍時の人となったリチャード・ハリス。だが、今年の10月25日に惜しくも72歳でこの世を去った。1960年代から映画界で活躍し、その演技力に定評があったハリスの冥福を祈りつつ、彼の魅力を紹介しましょう!
 1930年10月1日アイルランドのライムリック生まれ。本名はRichard St.John Harris。ラグビーと映画が大好きな少年で、8歳でロンドンに移住したという説と、ライムリック市のラグビー選手として活躍したという説がある。58年にLAMDAに入学し、在学中はアーヴィング・シアターで自主制作の作品を上映したりしながら、舞台でも活躍。映画デビューは58年の『Alive and Kicking』。

 アクション娯楽大作『ナバロンの要塞』('61)などを経て、63年に『孤独の報酬』で初主演。アカデミー主演男優賞にノミネートされ、カンヌ映画祭男優賞を受賞。
(C)BUENA VISTA PICTURES DISTRIBUTION and SPYGLASS ENTERTAINMENT GOUP,LP
 その後すぐにハリウッドに渡り、『テレマークの要塞』('65)『ジャガーノート』('74)『サウス・ダコタの戦い』('76)『カサンドラ・クロス』('76)『ワイルド・ギース』('78)などのアクション作品に多く出演。また、67年の『キャメロット』でアーサー王を演じたハリスは、他の俳優陣のように歌手の吹替えを使わず、自分の声で歌を披露。ゴールデン・グローブ賞を受賞した。81年にはナイトの称号も与えられている。

 その他の出演作に『ダンディー少佐』('64)『天地創造』('66)『馬と呼ばれた男』('69)『クロムウェル』('70)『オルカ』('77)『パトリオット・ゲーム』('92)『許されざる者』('92)『シベリアの理髪師』('99)『グラディエーター』(00)などがある。今年の10月25日に惜しくも72歳でこの世を去ったハリス。現在公開中の『ハリー・ポッターと秘密の部屋』がその最後の出演作となった。

 しかしながら、最初の妻との間にもうけた3人の子供の内の次男と三男は、ジェイミー・ハリスとジャレッド・ハリスで、俳優として活躍している。名優の血は絶えてはいない。


■出演作品をチェック!ハリスの演技力とその魅力



■『ハリー・ポッターと賢者の石 特別版』(01)
「ホグワーツ魔法魔術学校への入学を許可します」。幼い頃に両親を亡くし孤独な日々を送っていた、ハリー・ポッターのもとに驚くべき手紙が届く。ハリーの両親は名高い魔法使いで、彼もその血を受け継いでいたのだ。魔法魔術学校での新たな生活に心躍らせるハリー。しかし巨大な怪物トロールの出現をきっかけに、不気味な事件が起こりはじめる。事件の核心に迫ったハリーを待ち受けていたのは、両親の死にも関わる宿命の対決だった…。 ハリスはもちろんわれらがボグワーツの校長先生を演じた。

発・販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
価格:\2980(税抜)


■『グラディエーター 』(00) デラックス・コレクターズ・エディション
西暦180年、大ローマ帝国。時の皇帝から絶大な信頼を得て、次期皇帝の座を約束されていた将軍マキシマス。皇帝の息子コモドゥスはそれを許さず、実の父親である皇帝を自らの手で殺害。さらには刺客を仕向け、彼の最愛の妻と息子を惨殺する。地位と家族、人生に必要なものをすべて失ったマキシマスは、奴隷剣闘士に身を落とし、ある決意を胸に闘技場に立つ。それは名誉のためでもなければ、生き延びるためでもない。真の剣闘士(グラディエーター)となって新皇帝への復讐を果たすために…。 リチャード・ハリスは哲人皇帝マルクス・アウレリウスを演じた。第3回アカデミー賞4部門に輝く名作。

販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
価格:\2,500(税抜)<期間限定特別価格>


■『許されざる者』('92)
クリント・イーストウッド監督、主演の本格西部劇。かつて冷酷な強盗殺人者だったマニー(クリント・イーストウッド)は亡妻によってすっかり人が変わり、今では残された二人の子供とともに牧場で豚を追う生活をしている。そこへ賞金稼ぎの話が持ち込まれ、子供の将来の資金のために、昔の相棒ネッド(モーガン・フリーマン)ととも再び銃を取り、悪徳保安官(ジーン・ハックマン)がいる町へ悪人征伐に向かう。モーガンはひたすらクリント・イーストウッドのサポート役に徹し、名脇役の深味を発揮している。'92年アカデミー最優秀作品賞、監督賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、編集賞受賞作品。ハリスは、自分の自伝を作ろうと作家を従えて町にやってくる賞金稼ぎのイングリッシュ・ボブ役を演じた。

発売元ワーナー・ホーム・ビデオ
DVD価格¥2,000(税抜き)


■『キャメロット 特別版』('67)
英国国王アーサーが築こうとしていた理想郷キャメロットで、その悲劇は起こった。王に忠誠を誓うため、高潔な騎士ランスロットは、フランスから、はるばるやってきた。しかし、事もあろうに、彼はアーサー王妃グエナヴィアと恋におちてしまう。王の息子モードレッドの策略によって引き離された二人。処刑の危機にさらされた王妃を助けに向かうランスロットの行動は新たな戦いを引き起こしてしまう…。”マイ・フェア・レディ”のスタッフが贈る華麗なるミュージカル。 アーサー王を演じたハリスは、歌手の吹替えを使わず、自分の声で歌を見事に披露している。

発・販売元ワーナー・ホーム・ビデオ
価格:\2000(税抜)


■新作でチェック、英国映画界の至宝ハリスの重厚な演技

 フランスの文豪アレクサンドル・デュマ。その生誕200年記念を華やかに彩る『モンテ・クリスト伯』を、重厚な演技で支えるリチャード・ハリス。

 多彩なデュマの作品の中でもひときわ評判が高く、時代を超えて読み継がれてきた『モンテ・クリスト伯』は、皇帝ナポレオンがエルバ島に流された頃の港町マルセイユとパリを舞台にした波瀾万丈の歴史大河ロマンである。

 本作で最高のキャスティングと言われているのが、ダンテスに人生の何たるかを教える人、ファリア司祭を演じるリチャード・ハリス。英国映画界のまさに至宝と言うべき俳優である。
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 ハリスはファリアが囚人になる前の経歴を構築しながら役作りをしたと言う。その構築された経歴はこうだ。ファリアの青年時代は理想主義者で、ナポレオン軍に参加。共和国制度を夢見ていた。が、ある夜、極悪非道の命令を受けて実行してしまい、それを悔いて軍隊を脱走、司祭になる。
 「ファリアが脱獄に成功していたら、ネルソン・マンデラのような人物になっていただろう」とハリスは推測する。

 それから間もなく、ハリスはそのマンデラと会う機会ができた。ハリスはさっそくこう聞いた。 「あなたはかつて暴力を鼓舞していたのに、今では反暴力主義者ですね。この転換はあれほど長い間の幽閉と何か関係があるのですか?」と。するとマンデラは「たぶん、そうだろう」と答えたという。

 非公式な質問ながら、この答えを得たハリスは「ファリアもきっと生き延びていたらマンデラのように偉大な人物になっていたはずだよ」と話した。
(C)BUENA VISTA PICTURES DISTRIBUTION and SPYGLASS ENTERTAINMENT GOUP,LP
■『モンテ・クリスト伯』公式サイトはこちら> http://www.eigafan.com/mc/


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